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精神的指導者のヤシン師を失ったパレスチナ過激派ハマスが、パレスチナ自治に参加する道を模索している。自治を「イスラエルとの政治的妥協」と批判してきたハマスには異例の対応だ。武装闘争で守勢に回るハマスが、イスラエルのガザ自治区からの撤退を見越し、ガザを舞台に政治組織として活路を探る動きに出たようだ。
3日午後、アラファト議長が率いるパレスチナ解放機構(PLO)内の最大組織で実質的に自治政府を支配するファタハの代表者が、ガザ市でハマス、イスラム聖戦の両過激派と会談した。3者は、イスラエルがガザのユダヤ人入植地を撤去した後、何らかの形でガザの行政権を分け合うことを確認した。
その前日には、ハマス政治部門最高幹部のイスマイル・ハニエ氏が、ガザ北部のジャバリヤ難民キャンプで行われたハマス支持者の集会後、「我々は民主主義と選挙を通じたガザ統治を目指す」と語った。
ハマスは慈善活動とイスラエルへの強硬姿勢で、とりわけガザでは民衆の広い支持を集める。仮に選挙となればかなりの議席を取れる存在だ。
ハマスはもともと、イスラエルとの一切の妥協を拒否し、オスロ合意によるパレスチナ国家樹立にも自治政府にも反対してきた。しかし、武装闘争によるパレスチナ解放には限界が見え始めている。「最高幹部の相次ぐ殺害とイスラエル軍の対過激派作戦で、軍事組織としてのハマスは弱体化した。政治組織としてガザの支配権を固めようとする動きで、自治政府も過激派との対決は望まないから歓迎するだろう」とガザの自治政府筋は言う。
ただ、ハマスの政治参加は武装闘争の放棄を意味しない。ハニエ氏が政治参加を表明した集会には、ヤシン師の後継者である最強硬派、ランティシ氏の姿はなかった。しかも、イスラエルへのテロを続けるハマス軍事部門は政治部門からは独立した組織だ。イスラエルでは5日に始まるユダヤ教の「過ぎ越しの祭」を前に、ヤシン師殺害に対する報復テロへの警戒態勢が続いている。
(04/05 12:40)