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イラク人を殺害」と書かないスペイン各紙、「アパッチ」も消えた、「撤退」も無し
4月4日のナジャフのスペイン軍基地付近での銃撃戦に関して、4日の速報から5日付のスペイン各新聞(エル・パイス、エル・ムンド、エル・ペリオディコ)の報道内容の変化をずっと見てきたのですが、いくつかの興味深い点があります。
まず、どの新聞も共通して「スペイン軍がイラク人に発砲、殺害し負傷させた」というような論調が見られないこと。4日のエル・ペリオディコの最初の速報だけが「スペイン軍がデモ隊に向かった発砲した」となっていたのですが、その後に消え、5日の各紙(電子版)では、エル・ムンドはすでにナジャフの銃撃戦の記事そのものに触れておらずにバグダッドなどの他の地域での衝突ばかりを取り上げていますし、エル・パイスは、現地ルポで「彼らが我々を襲っている」と見出しをつけ、いかにこれが「正当防衛」であったのか、を強調する内容になっています。
さらに4日の速報で各紙とも取り上げていた米軍アパッチの発砲について、わずかにエル・ペリオディコのみが「2機のアパッチがスペイン軍を援護した」というかすかな表現になって残しているほかは、すっかり消えてなくなっています。昨夜のTVニュースでもTele5が「アパッチが群集を追い払った」という報道をしていたのですが国営TVEでは全く触れず、米軍の関与がなかったような印象を与えています。
また5日のエル・パイスには、次期外相が内定しているモラティノス(社労党)の「国連のより大きな役割を求める努力ができるだろう」という談話を載せており、どこにも「イラクからの撤退」は見られなくなっています。
エル・パイス(4月5日)
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?d_date=&xref=20040405elpepiint_4&type=Tes&anchor=elpepiint
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?xref=20040405elpepiint_6&type=Tes&anchor=elpepiint
エル・ペリオディコ(4月5日)
http://www.elperiodico.com/default.asp?idpublicacio_PK=5&idioma=CAS&idnoticia_PK=109690&idseccio_PK=7&h=
どうせこんなことだろう、と思ってはいたのですが。スペイン軍はNATOの一員としてアフガニスタンやユーゴスラビアにも展開しているのですが、今回ほど大量に発砲して死傷者を出したことは無かったはずで、このことに関する代表的な新聞の姿勢は以上のとおりです。逆にますます深くイラクと「反テロ戦争」に関わっていかざるを得なくなるように誘導されつつあるような気すらします。
日本の自衛隊もいずれ同様の運命に見舞われるかもしれませんが、そのとき各新聞はどのように報道するのでしょうか。