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【ワシントン和田浩明】米政府は2日、日本や欧州などビザ(査証)免除対象国27カ国からのビザのない入国者に対し、指紋と顔写真を電子的にチェックする制度を9月30日までに義務付けると発表した。ビザを保有する入国者に対しテロ対策として1月に導入したチェック制度を拡大する措置で、日本人約330万人を含む年間約1300万人の観光客やビジネス客ら短期滞在者が新たな対象となる。
米政府は「経験上、混乱は少ないはず」と強気だが、全米旅行業協会は2日、「米同時多発テロ(01年9月)後の旅客大幅減からの回復を阻害しかねず、大いに不満」とする声明を発表した。
今回の措置は、ビザ免除国に導入を要請していたバイオメトリクス(生体認証技術)利用のパスポートが、技術上の理由から米国を含めた各国で10月26日の期限に間に合わないため行われる。
チェック制度は1月5日、年間約1900万人の入国者を対象に米全土の115の国際空港と14の主要港湾で導入された。左右の人さし指の指紋をスキャンし、顔をデジタルカメラで撮影、テロリスト・データベースなどと照合する。出国時の電子的な指紋確認もボルティモア国際空港で試験的に始め、今年末以降に本格導入する予定だ。
同時多発テロでは、実行犯19人が合法的に入出国していたり、入国経路が不明だった。この反省から、テロリストなどの水際での入国阻止と、入国後の行動把握を目的に、本人確認の確実性が高い指紋などの生体情報を使ったチェック制度が始まった。
対象拡大を発表した国土安全保障省のハッチンソン次官(国境・運輸安全保障担当)によると、1月以降、延べ約250万人が同制度によるチェックを受け、これまでに約1万2000人の不法滞在容疑者や、200人以上の重犯罪者などが確認されたという。平均検査時間は「15秒程度」で、処理人数の増加に伴う係官の増員などは考えていないという。
同次官は、チェック対象の拡大で「セキュリティーの大幅な向上が期待できる」と説明、影響を受ける各国政府も「理解してくれており感謝している」と語った。
米側統計によると、日本からのビザなし入国者は02年度で年間約330万人で、同時テロ以前の約470万〜490万人に比べ3割前後減少している。新たなチェック対象者は14歳から79歳までで、外交官は除かれる。旅行業界関係者は、新措置による入国審査時間の遅延のため乗り継ぎが不便になりかねないなどと指摘、混乱は「100%確実」とみている。
[毎日新聞4月3日] ( 2004-04-03-14:52 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20040403k0000e030037004c.html