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(回答先: イスラエル検察、汚職疑惑でシャロン首相起訴を勧告へ (asahi.com)---シャロンも年貢の納め時 投稿者 竹中半兵衛 日時 2004 年 3 月 29 日 01:03:59)
上記関連記事、古いですが掲載します。
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asahi.com 03/23/04
http://www.asahi.com/special/MiddleEast/TKY200403230119.html
ヤシン師殺害「シャロン流」また 力の行使、国内向け?
ガザ市で22日、殺害されたヤシン師の自宅近くに集まり、抱き合って死を悼むパレスチナ人たち=AP
イスラエル軍によるイスラム武装組織ハマスの精神的指導者ヤシン師の殺害は、自ら武力行使によって政治の主導権を握ってきたシャロン首相の常套(じょうとう)手段の繰り返しだ。自爆/テロによるハマスの激しい報復は必至だが、力の対決の構図に持ち込むことで国内反対派や世論を従えようとする。しかし、その力の手法で中東は新たな危機に直面している。
イスラエル軍は数多くのハマス活動家を殺害してきたが、これまでヤシン師には手をつけなかった。同師を殺害すれば状況が暴走しかねないからだ。イスラエルが重視する国家の危機管理にとってもタブーだった。
しかし、シャロン首相は01年春の首相就任以来、次々とタブーを冒してきた。歴史的な「オスロ合意」の成果を崩すパレスチナ自治区への軍事侵攻、再占領や、過激派の反発を受けながらイスラエルとの和平を受け入れたアラファト議長に対する「敵」宣言などだ。
シャロン氏の力の手法は、与党リクード内での政治的な基盤の弱さを補うための策だ。和平の可能性を次々と切り崩し、状況を悪化させて「軍事的な天才」としての独壇場を作り出してきた。ヤシン師殺害も、自ら提案したガザ撤退案に対して極右勢力やリクード内から噴き出した批判をねじ伏せて、国内で主導権を回復する荒療治の側面もある。
和平推進派の労働党は「状況悪化をくい止めるため」としてシャロン政権に参加していたが、逆に和平の現実的な足場を自ら崩し、国民の支持基盤も影響力も失った。
イスラエルの力の行使を抑えることができるのは、中東の不安定化を恐れ、中東和平を主導する米政権だった。しかし、01年9月の米同時多発テロ以降、アフガン戦争やイラク戦争など、次々と戦争に訴え、敵を打倒する力の政策をとったことで、シャロン氏に対する歯止めはなくなった。
イスラエル軍によるパレスチナ過激派の殺害作戦に、米政権は当初、批判的な立場だったが、ブッシュ政権は「自衛権は認める」という表現で、殺害を追認した。
シャロン氏の力の手法はアラファト議長の指導力も奪った。長期間、軍事包囲して、事実上の軟禁状態に置き、パレスチナ民衆に対する影響力をそぎ落とした。ヤシン師殺害でパレスチナ民衆の怒りが暴走しかねないが、議長に制御能力は期待できなくなっている。
ヤシン師殺害で、ガザ再占領とアラファト議長の追放か暗殺さえも、イスラエル軍にとってもはやタブーとは言えなくなった。ヤシン師殺害に対するパレスチナ側の報復にイスラエルが圧倒的な武力を行使すればするほど、中東・アラブ世界では「かなわない武力に対抗するためのテロ」という救いのない暴力正当化の論理が広がることになる。 (03/23 10:38)