現在地 HOME > 掲示板 > 戦争50 > 169.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: アラブ首脳会議延期、民主化への見解の相違が原因 [ロイター] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 29 日 01:08:39)
【バグダッド=岡本道郎】チュニジア政府は27日夜、同国首都チュニスで29日から開催予定だったアラブ連盟(22か国・機関加盟)の首脳会議を延期することを決定した。
会議はアラブ首脳が自主的な改革への青写真や中東和平の打開策を打ち出せるかが焦点だったが、パレスチナのイスラム原理主義組織「ハマス」創始者アハマド・ヤシン師が22日、イスラエル軍に殺害されたことで、シリアなどの強硬派がイスラエルへの対決姿勢を優先させるべきだなどと要求、議題をめぐり紛糾したためだ。
開会2日前という異例の首脳会議延期決定は、改革にも和平にも踏み出せないアラブ諸国の機能不全ぶりを改めて露呈した。
主催国チュニジアのベンサレム外務省報道官は27日夜、国営TAP通信を通じ、「アラブの発展、現代化、改革過程をめぐり意見の相違がある。首脳会議を無期限延期する」と発表した。エジプトの中東通信によると、同夜の外相会議の席上、チュニジアのベンアリ大統領がベンヤヒヤ同国外相を突如電話で呼び出し、無期延期を指示したという。
この異常事態に、アラブ連盟のアムル・ムーサ事務局長は「延期は重大な影響をもたらす。アラブ全体の責任だ」と遺憾の意を表明。エジプトのムバラク大統領は、「出来る限り早期に会議を開く必要がある」とする声明を発表し、同国で首脳会議を開催する用意があると表明。ムーサ事務局長も申し出を歓迎する考えを示したが、開催の見通しはなお不透明だ。
不協和音は、今月初め以降の外相会合段階で既に表面化していたが、27日夜の最終折衝で決定的なものになった模様だ。チュニジア、エジプトやヨルダンなど親米穏健派諸国が、法改革や女性の権利などに言及した民主化案の草案を提示。米国が6月の主要国首脳会議で公表すると見られる中東民主化のための「拡大中東構想」に先んじて、自前の改革構想を打ち出すことで、改革実施に伴う自らの体制への影響を最小限にとどめようと動いたのに対し、シリア、レバノンなど強硬派は米国の民主化圧力自体を「外からの押しつけ」として強く反発。
さらに、強硬派はヤシン師殺害でアラブ大衆に反米・反イスラエル感情が増幅される中で、「改革論議は来年の次回のアルジェ首脳会議に持ち越し、今回は対イスラエル統一行動を議論すべきだ」と主張した。こうして、2002年のベイルートでの首脳会議で採択された、サウジアラビアの和平イニシアチブ蘇生(そせい)の手がかりをも模索していたエジプトなどとの食い違いが鮮明となった。
こうした状況から、サウジのアブドラ皇太子が26日、サウド外相を代理出席させることを決定、バーレーン、オマーン、アラブ首長国連邦(UAE)が相次いで首脳出席を控えるなどの動きが出るに至り、会議の“空中分解”を恐れた主催国チュニジアが「無期限延期」を最終決断した。
(2004/3/28/23:32 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040328i215.htm