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家族「見殺しにしないで」外務省に救出訴え --- テロリスト「焼き殺す」
一夜明け、高遠さんの自宅前で涙ながらに会見する母の京子さん(左)と父の睦雄さん=9日午前11時すぎ、北海道千歳市
見殺しにしないで−。混乱のイラクで理不尽にも誘拐され、人質にとられた日本人3人の家族らが9日午前、上京して外務省の川口順子外相らと面会し、3人の救出を訴えた。「自衛隊撤退の理由はない」とする政府側は苦渋の表情。実体の見えないテロリストから、「3日以内に自衛隊が撤退しなければ、3人を焼き殺す」という狡猾(こうかつ)な解放条件を前に、家族らは、自衛隊の撤退を求めたが…。
「命に別条のない形で、(3人を)帰してほしい。場合によっては、自衛隊の撤退も視野に入れてほしい」
高校を卒業したばかりのフリーライター、今井紀明さん(18)の母、直子さん(51)=札幌市西区=は9日午前、高遠菜穂子さん(34)の弟、修一さん(33)=北海道千歳市、フリーカメラマンの郡山総一郎さん(32)の母、きみ子さん(55)=宮崎県佐土原町=らと合流。午前11時半、川口外相と阿部正俊副大臣と面会のために外務省入りして救出を訴えた。
これに対し、川口外相は、「夕べから一睡もしていないのでは?」と家族を気遣い、「救出に全力を、との指示が総理からあった。政府を挙げて最大限の努力をしたい」としたものの、自衛隊撤退には触れずじまいだった。
直子さんは、「民間の人道支援を見殺しにするようでは、自衛隊の目的には…ならないのではないか」「自衛隊の早期撤退で、息子を無事に帰していただくようお願いしたい」と、目を真っ赤にしながら、沈痛な表情で話していたが、自衛隊撤退の動きは出てきそうにない。
直子さんは「本人が一番危険を覚悟していたと思う。こういうこともあるかと思っていたが…」と語る一方で、「行かせなければよかった」との本音も。
「子供の命を助けて!」。外務省で川口外相との面会の臨む今井さんの母、直子さん(右)と兄の洋介さん=9日午前11時20分、東京・霞が関
今井さんは、劣化ウラン弾の危険性を訴えるため、イラク入り。高校時代にウラン弾の廃絶を訴えるため設立した市民団体の知人には、「予想以上にまずい状況が伝わってきている」「あとは運次第」といった、先行きを不安視するメールが入っていた。
この団体は、小泉首相に対し、「自衛隊の即時撤退」を求める声明を発表した。
札幌市の上田文雄市長は、「政府には人命尊重の立場で、最大限の外交努力をし、一刻も早く解決を」と話す。
高遠さんの父、睦雄さん(71)も、「危ないから、親として心配がないわけではなかったが、戦争で犠牲になる弱い女子供に力を貸すのに反対するすべはなかった」としながらも、「行かなければよかったと思う」と8日夜に語っていた。
母、京子さん(65)は「戦闘服を着て戦車に乗って乗り込んだら、現地の人は嫌気が差す。日本人がすばらしいといわれるためには、銃なんか置いて、ボランティアをやるべき」と、娘のこれまでの行動を誇り、政府に苦言を呈した。
高遠さんとともに活動していたNGOでは、「現地から連絡がなく心配していた」と話す。
きみ子さんも、宮崎県佐土原町の実家から、9日朝、空路で東京入りした。
拘束されたビデオ以外、情報の伝わらない現状に、弟の洋介さん(28)らとともに、「まんじりともせずに一夜を明かした」という。
戸敷正町長は「安全を考えた対応を」と外務省に電話で要請した。
東京で郡山さんと同居していた男性(24)は、「3月31日に出発してからは連絡がなかったが、まさかこんな形で彼の姿を見ることになるとは」と驚きを隠せない。
今回のイラク入りの際、デジカメなどを新調、「これでダメならカメラマンを辞める」とも話していたという郡山さん。“雇い主”の週刊朝日の青木康晋編集長は、今回のイラク入りが朝日側の要請ではないことを言明した上で、「一刻も早い救出を願っている」と述べた。出発前に、郡山さんは「いい写真が撮れたら送りますよ」などと話していたという。
高校時代の担任だった日高勝彦さん(51)は9日朝、「まじめで素直。やさしく、物事をハッキリいう性格だった」と、かつての教え子の無事を祈りながら話した。
ZAKZAK 2004/04/09