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増田俊男の愉快な暴言(2004年4月8日)
イラク基本法はイラク内戦の処方箋
アメリカは本年6月30日に予定通り主権をイラクに移譲すると国際公言している。
新しいイラク政権は、本年末か来年早々国民選挙をして樹立する予定であるとアメリカは言う。
新政権が作るイラク憲法の基本になる基本法が、アメリカが任命した25名からなるイラク統治協議会によって発表になったのが、3月8日のこと。
中身はシーア派、クルード族、スン二派等の利権をモザイク状に構成した形になっている。
クルードはアメリカから資金援助と軍事訓練を受けながら北部の大油田地帯を支配してきた関係から、最もアメリカに近く、憲法議会で拒否権を持つなど少数派にも関わらず大きな権限を持った。
これには多数派のシーア派が強く反対したが、アメリカの圧力で無理やりに調印にこぎつけたいきさつがある。
最近のシーア派のテロ活動は、基本法に対する不満が発端である。私は基本法が調印された日、「基本法は内戦の火種になる」と言った。
アメリカは基本法でイラクを混乱に陥れることを狙っていたのである。
その理由の第一は、イラクを混乱に陥れることにより、事実上主権の移譲を不可能にするためである。
他の理由はイラクでの内戦をエスカレートさせ、イラク派遣米軍を増強するためである。そのウラには、やがてイスラエルが起こす中東戦争に備える戦略が隠されている。
これで中東ロードマップが出来たとき、私が「中東和平ロードマップはイスラエルとアメリカの対アラブ諸国に対する宣戦布告である」と言った意味が分かったはず。
増田