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ガザ市内のヤシン師殺害現場に集まったパレスチナ人(AP)
【エルサレム=佐藤秀憲】イスラエル軍が22日、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの精神的指導者アハマド・ヤシン師(67)を殺害したことは、パレスチナ自治区各地で激しい抗議行動を引き起こしている。
一方、イスラエルのシャロン首相は、「パレスチナのテロリストの首領をしとめた」などと語り、殺害を正当化した。パレスチナ側がさらに反発し、暴力の連鎖が激化するのは必至の情勢で、暗礁に乗り上げていた米国主導の中東和平構想「ロードマップ」(行程表)は、崩壊の危機に瀕(ひん)している。
ヤシン師がパレスチナ自治区ガザ市内で殺害された直後に、ハマスが報復を宣言したのに加え、イスラム聖戦、アルアクサ殉教者旅団など他のパレスチナ過激派も22日、シャロン首相とイスラエルへの報復を相次いで表明した。
ガザ市内では同日午後、ヤシン師の棺(ひつぎ)を取り囲み、数万人が葬送行進に参加。イスラエル放送によると、ガザ南部ハンユニスではイスラエル軍とパレスチナ人の間で銃撃戦となり、パレスチナ人1人が死亡、5人が負傷した。
ヨルダン川西岸ラマッラなど自治区各地で「シャロンに死を」などと報復を求める大規模な反イスラエルデモが繰り広げられた。
パレスチナ自治政府のアラファト議長は、「イスラエルは野蛮な行為で、越えてはならない一線を越えた」とイスラエルを非難すると同時に、3日間の服喪を呼びかけた。自治政府のクレイ首相は、「危険な行為により、混乱の扉を開いた」と語った。
これに対し、シャロン首相は、与党リクードの国会議員らを前に、作戦の「成功」を報告した上で、「今後もテロとの戦いは続く」とし、報復テロに備える考えを示した。
欧州連合(EU)、中東諸国を中心に22日、「国際法に違反する行為」などとイスラエルを非難する声が上がった。
エジプト外務省によると、「ロードマップ」を共同で取りまとめた米国、EU、ロシア、国連の代表は22日夜、カイロで会談するが、和平構想をいかに再び軌道に乗せるかのめどは、立っていない。
◆米、双方に自制促す◆
【ワシントン=永田和男】マクレラン米大統領報道官は22日、ヤシン師をイスラエル軍が殺害したことを受け、「イスラエル、パレスチナ双方とも最大限の自制を働かせ、2国家共存による和平プロセスを追求し続けるよう求める」と述べ、ハマス側の報復テロをけん制し、ロードマップ(行程表)による和平プロセスの堅持を訴えた。
(2004/3/23/01:39 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040322it14.htm