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(回答先: イスラエルのためのでっち上げイラク侵略戦争から丸一年が経過しました。 投稿者 スーパー珍米小泉純一郎 日時 2004 年 3 月 20 日 10:50:51)
▲民営化で加速する戦争
イラク戦争1年
イラク戦争の開戦から一年。かねてブッシュ政権との癒着が指摘されていた米石油関連大手、ハリバートングループの不正事件が露呈し始めた。同グループは戦争、復興の両面で台頭するが、それを支えるのが「戦争の民営化」という変化だ。民営化は政治利権と絡み、戦争を加速する。ネオコン(新保守主義派)の中東戦略と両輪で、この戦争を推進した黒い構造が浮かび上がる。 (田原拓治)
ハリバートングループは米国防総省の受注企業として圧倒的な強さを見せてきた。米誌ニューヨーカーによると、イラク戦争と復興での受注額はこれまでに計百十億ドル(一兆一千六百億円)にも上るという。
同社は一九九五年から二〇〇〇年まで、チェイニー副大統領が最高経営責任者(CEO)だったため、これまで政権との癒着を内外で指摘されてきた。
だが、憶測が事件の形になったのは昨年暮れ以来。子会社のケロッグ・ブラウン・アンド・ルート(KBR)社を舞台に相次ぐ不正事件が明るみに出た。
まず、昨年十二月、国防総省の監査により、クウェートからイラクへのガソリンなど燃料の購入、運搬に絡んで、六千百万ドルの水増し請求疑惑が浮上した。
ことし一月には、KBRの社員二人がクウェート駐留米軍の調達業務で、地元企業に下請けさせた見返りに六百三十万ドルのリベートを取っていたことが発覚。さらに二月には、同じクウェート駐留米軍の給食事業で二千八百万ドルを水増し請求していたことが分かり、全額を返済させられた。
加えて、イラク以外でもナイジェリアで九〇年代、KBRによる天然ガス開発事業の税務での優遇を狙った多額の贈収賄疑惑が浮上し、仏司法当局が国際法に照らし、親会社のCEOだったチェイニー副大統領の告発を検討している。
■疑惑発覚後も根強い擁護論
だが、こうしたスキャンダルに揺れつつも、KBRの受注は続いている。疑惑が発覚した昨年十二月、米陸軍工兵隊から二億二千二百万ドルの追加発注を受け、一月には国防総省から石油再建関連事業で最大十二億ドルの工事を受注した。三月にようやく、燃料輸送で他の七社が契約したが、総額は三億ドルにすぎない。
この背景には「ハリバートンしかできない」「戦争でも復興でも連絡次第、彼らはすぐに派遣してくる」(米陸軍工兵隊幹部)という強い擁護論がある。
実際、ハリバートンの仕事はエネルギー関連に限らない。今回のイラク戦争でも飛行場の整備、テント設営、宿舎建設とその清掃、兵員への食料や水の供給、郵便、理容、重機の運搬、さらには遺体の洗浄と米国への輸送までも担った。
これを可能にしているのが、国防総省のLOGCAP(兵たん民間補強計画)という民営化方式だ。できる限り、派遣部隊の兵たんや復興を民間委託する戦略で「軍事のアウトソーシング」とも呼ばれる。
米軍筋は「八五年に初めて導入されたが、冷戦後の九二年八月に包括化の名の下に一気に委託分野が拡大された」と説明する。
■戦争の開始前 秘密裏に交渉
「この市場でハリバートンは独占企業の位置にある」と米軍筋は語る。その実績をたどると、九九年のコソボ紛争(受注額三十億ドル)、〇三年九月まで駐留したトルコ・インジルリク空軍基地での支援(同一億千八百万ドル)をはじめ、対テロ戦争でもアフガニスタン、ウズベキスタンの基地支援(同六千五百万ドル)、キューバ・グアンタナモの拘束施設建設(同三千七百万ドル)など「米軍あるところ、ハリバートンあり」(米軍筋)の状況だ。
この「信頼関係」の上にイラク戦争でも、国防総省とKBRは開戦前の〇二年十月から、戦争支援と復興で秘密裏に交渉を進めた。
しかし、LOGCAPの狙いは民営化による経費削減だけではなさそうだ。むしろ、国防行政の暗部を隠し、戦争を容易にする。
ハリバートン疑惑を追及しているヘンリー・ワクスマン下院議員(カリフォルニア州、民主党)は自らのホームページ上で「KBRがいくらで兵士たちの洗濯を請け負っているのかすら分からない」と憤る。民間企業ゆえ、情報公開(「情報の自由法」)の網がかからないというのだ。
さらにニューヨーカー誌で一人の退役将校は「予備兵が嫌がる遺体洗いも引き受けてくれ、戦争がしやすくなった。派遣兵員の数でも増えれば、それだけ議会や世論の風当たりが強くなる」と述べ、外注による兵員減の効果を説いた。
英紙ガーディアンも「イラクには英軍より多い一万人以上の民間人が国防総省との契約で展開する。戦費の三分の一が外注されている」と指摘している。
さらに「政軍癒着」の構造が浮き上がる。公務員、軍人の政治献金は禁止されているが、民間企業にこれは当てはまらない。
実際、ハリバートンは九九年から〇二年まで七十万ドルを共和党に献金。二〇〇〇年の大統領選では、ブッシュ・チェイニー陣営に一万七千ドルを与えた。
そのチェイニー副大統領は「イラク関連の契約とは無関係」と潔白を訴えているが、果たしてそうか。
実はチェイニー氏と戦争企業としてのハリバートンは固く結ばれている。ニューヨーカー誌によると、パパ・ブッシュ政権で国防長官だった当時、チェイニー氏は兵たん業務の包括的な民営化の研究をハリバートンに発注。九二年八月、兵たん支援について同社単独の五年契約に踏み切った。そのうえで同社に天下り、現在も同社から株式と退職者報酬を受け取っている。
イラクでは、現在も同氏と親しいジャック・ケンプ元下院議員(共和党)らが資源関係のベンチャービジネスを展開している。そこには、トミー・フランクス元米中央軍司令官も顧問として天下っている。
■「納税者だまし政府も許した」
旧来の武器を売る「死の商人」ではなく、戦争商人と政治家が一体となった人脈が戦争をあおる。前出のワクスマン議員は「ハリバートンは納税者をだまし、ホワイトハウスはそれを許してきた」と非難する。
ただ、彼らは「イスラエルの勝利」を軸にイラク戦争を扇動したネオコンとは違う。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、海外に登記されたハリバートンの別の子会社(ハリバートン・プロダクツ・アンド・サービス社)は、ネオコンが敵視し、「悪の枢軸」と政権が非難するイランにも二〇〇一年に事務所を開き、年四千万ドルの事業を展開している。
ちなみに三菱商事、三井物産など日本の企業連合九社は前出のKBRと組み、イラク西部のアクラ・ガス田の開発事業の入札に参加する。イラクの地でも自衛隊派遣と併せ、「日米同盟」があらわになっている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20040320/mng_____tokuho__000.shtml