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ザルカゥイは、イラクの国連施設爆破テロでその名前がメディアを賑わすようになり、先日のカルバラの爆弾テロやマドリード列車爆破テロでも黒幕として取り沙汰されるようになった「大物テロリスト」である。
“真性極悪テロリスト”である米英支配層は、アフガニスタンかパキスタンの山中で逃げ回っているとされるビンラディン氏にいつまでも“極悪最強のテロリスト”の称号を与えることはできないと考えているように思える。
ザルカウィなるものが、米英支配層のエージェントなのかどうかどころか、ほんとうに生きて何かをやっている人物なのかどうかさえわからないが、今日発売の「ニューズウイーク日本版3・24」に“売り出し”記事があるので紹介させていただく。
(「ビンラディンの下で訓練を受けている」ということだから、対ソ連ジハード戦士を訓練した最高機関CIAがそこでピックアップした可能性もある)
驚くことに、「ザルカゥイは出身地にちなんだ仮の名」で、「今のザルカウィがどんな顔をしているかは誰も知らない」といい、さらには「脚が何本あるかも知らなかった」という。(米国は1000万ドルの懸賞金付きで探しているのだが...顔や自前の脚が何本かわからないというのは使うのに重宝なキャラクターだ)
立派な組織力とだいそれた実行力があるとされるザルカウィだが、その資金源には触れられていない。
ザルカウィはアルカイダと直接の関係がないというトーンで書かれているとともに、全体が「陰謀論」的解説に彩られている。
(アルカイダとは別というのは、イスラム世界からは汲めども尽きぬほどテロリストが出てくるというイメージを醸成したいからのようだ)
P.34
表題:「Terror's Next Stop:増殖するビンラディン」
リード:「テロ組織:アルカイダが鳴りを潜めても世界中で大規模なテロが続発するのはなぜか」
記事内容:
「 生まれたときから謎だらけの人間はいない。アブ・アル・ザルカウィも同じこと。ヨルダンにある生家はみすぼらしい2階建てで、とても大物テロリストが育った家には見えない。
首都アンマンから約30キロの小村サルカを記者が訪れたとき、その家には家族が集まってささやかな宴を開いていた。土間に敷いた薄っぺらなマットに座り込み、焼き菓子や果物をつまんで談笑していた。女たちによれば、子供のころのザルカウィ(本名はアハメド・ハライラで、ザルカウィは出身地にちなんだ仮の名だ)は人気者で動物好きだったらしい。
その後、シーア派の重要な祭礼「アシュラ」を狙った3月2日の爆弾テロ(イラクの首都バグダッドとカルバラで、計200人近い犠牲者が出た)が起きてから電話すると、姉妹の一人は「彼がそんなことをするはずはない」と否定した。アメリカ政府が彼を犯人と名指ししたと告げると、「異教徒に何がわかるっていうの?」と言い返された。
この3月に死去したばかりの母親も、37歳になった息子がテロリストだなんてとんでもないと言いきっていた。「アルカイダは金持ちだ。息子がアルカイダの仲間だったら、私はこんな掘っ立て小屋に住んでいないよ」
それでも米ブッシュ政権は、ザルカウィをテロ集団の有力幹部と決めつけている。どうやらこの男をウサマ・ビンラディンの後継者に、対テロ戦争における次の標的に仕立てるつもりらしい。
手がかりはごくわずか
だから米政府は、ビンラディンにあててザルカウィが書いたとされる17ページのテロ計画書を喜々として公表した。シーア派を狙った連続テロ(その9日後にマドリードの列車爆破テロが起きた)の首謀者として、ザルカウィの名をあげるのも早かった。昨年5月にモロッコで起きた連続爆弾テロへの関与も疑われている(マドリードのテロでは3人のモロッコ人が逮捕され、ザルカウィと関係があった可能性も指摘される)。
しかし、ここに問題がある。ビンラディンと違って、今のザルカウィがどんな顔をしているのかは誰も知らないのだ。現在の主要テロリストの多くがそうであるように、ザルカウィもビンラディンの下で訓練を受けている。そして師の失敗から一つの教訓を学んだらしい。決して姿を見せるな、という教訓である。だから、アメリカは、彼の潜伏先はもちろん、脚が何本あるかも知らなかった。
イラク戦争前、ブッシュ政権はサダム・フセインの「悪行」の一つとして、負傷したザルカウィに義足をつけてやったことをあげていた。だが、これはデマだった。バグダッド駐留米軍の幹部らが本誌に語ったところでは、今や米軍もザルカウィの脚は2本とも健在だと確信している。
もちろん、当局もそれなりの情報を握っている。ドイツで拘束されたヨルダン人シャディ・アブダラの供述によれば、ザルカウィ率いるアル・タウヒドは欧州各地に複数の拠点を置いている。
テロリストも世代交代?
本誌が入手したアブダラの供述書によれば、ザルカウィの部下の一人はロンドンにあるモスク(イスラム礼拝所)の宗教指導者で、そのモスクには9・11テロの共犯者として逮捕されたザカリアス・ムサウイや、航空機内で「靴爆弾」を破裂させようとして捕まったリチャード・リードも通っていたという。
だが、肝心のザルカウィの所在はわからない。わかっているのは、同様の危険人物がたくさんいるということだけ。CIA(米中央情報局)のジョージ・テネット長官の議会証言によれば、「こうしたグループは山ほどある」。
思えば9・11テロ当時、アメリカに宣戦布告していたのはアルカイダだけだけだった。彼らの拠点も、思想的な背景もわかっていた。今は違う。CIAのミルト・ビアデン元パキスタン支局長に言わせれば、テロの脅威は「次々と転移を繰り返し、(今では)いつどこに出てくるか予測がつかない」。
<中略>
新世代のテロ組織網に対して、アルカイダはどの程度の影響力を有しているのか−この点については、各国の捜査当局の見解が大きく割れている。
アメリカでは、ビンラディンはもはや象徴的な存在にすぎないという見方が強い。だがアメリカ以外の国では、ビンラディンとアイマン・アル・ザワヒリが今も各地のテロを指揮しているとの主張が有力だ。
ザルカウィとビンラディンの関係をめぐっても、意見が分かれている。
<中略>
米軍の情報担当者の間でも、ザルカウィはアルカイダと一定の距離を保っているという説が有力だ。なかには、両者の間に深刻な亀裂があると指摘する声もある。
手紙が本物だとすれば、ザルカウィはアメリカ人のような異教徒をイスラム聖地から追い出すという大義のためなら、同胞のイスラム教徒の命を犠牲にするのも正当な戦術だと考えていることになる。一方、ビンラディンはそうした考えに反対している。
<後略>
マイケル・ハーシュ(ワシントン)」