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1969年ミラノのフォンタナ広場にある農業銀行で爆破テロが発生する。その日はローマでも4箇所で爆破事件がありこれは「同時多発テロ」だった。このテロからイタリアは『鉛の時代』と呼ばれる「いんちきテロ連発」時代に突入する。
当初は左翼のテロとされていたが実はこれには深い闇が存在することが後に明らかになる。
これはP2によるオペレーション・グラディオと言われる。
スペインのテロで日本が標的になることが連想される背景は、以下のthe World Anti-Communist Leagueのところをクリックしてみればおわかりになるのではないだろうか。小泉首相の派閥はまさにこうした流れを汲むということは言うまでもあるまい。
Many members of Operation Gladio were also in a shadowy organization known as P-2; it too was financed by the CIA. P-2 had connections with the Vatican and the Mafia, and eventually with an international fascist umbrella organization called the World Anti-Communist League.
One of P-2's specialties was the art of provocation. Leftist organizations like the Red Brigades were infiltrated, financed and / or created, and the resulting acts of terrorism, like the assassination of Italy's premier in 1978 and the bombing of the railway station in Bologna in 1980, were blamed on the left. The goal of this "strategy of tension" was to convince Italian voters that the left was violent and dangerous-by helping make it so.
http://www.thirdworldtraveler.com/CIA%20Hits/Gladio_CIAHits.html
以下、2002年NHKスペシャル紹介記事を。
敵対者を直接攻撃するのではなく、左翼を装ってテロを起こし、市民の間に恐怖と不安を煽って左翼を危険視させ、社会的な緊張を高めることで、政府が安全保障政策(統制政策)を前面に出しやすくする。 国家非常事態を宣言することもできるだろう。それによって左翼運動を圧殺しようというのが「緊張の戦略」だと言うのである。
「新秩序」は「アジンター・プレス」という機関と関係をもち、そこで秘密工作の訓練を受けていた。通信社を装いリスボンに本拠を置くこの機関は、アルジェリア独立運動の弾圧に名を馳せた秘密軍事組織OASの隊員が作ったもので、「共産主義の脅威からヨーロッパを守る」ことを目的とし、NATOやCIAと結んで破壊活動を請け負う実行部隊だったという。
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/nishitani/kakonokiji.htm
5月11日(土)にNHKで『無差別テロは裁けるか、イタリア「鉛の時代」の記憶』(「NHK スペシャル」)という番組が放映されました。
たいへん興味深い番組でしたが、あまり見られていないようです。その内容を以下にご紹介します。
この文章は、『新潮』7月号「クロスロード」に掲載される「フォンタナ広場を掠めた妖怪」の一部です。
この事件とその裁判を、最近のパレスチナ情勢や、アメリカでの「9月11日」をめぐる論議、つまりブッシュ政権はどの程度事件を「知っていた」のかをめぐる論議と重ね合わせてみると、さまざまなことを考えさせられます。
この番組の再放送を期待したいところですが、どうでしょう。(……)折もおり、NHKで『無差別テロは裁けるか、イタリア「鉛の時代」の記憶』という番組が放映された(5 月11日(土)「NHKスペシャル」)。9月11日の事件とは直接関係がない。扱われているのは、30年も前にミラノで起こった「無差別テロ」事件であり、その長い裁判である。1969年といえば、前年のフランスに続いてイタリアでも左翼運動が高揚し、「熱い秋」を迎えた年だった。その12月、ミラノのフォンタナ広場にある農業銀行で 時限爆弾が爆発し、死者17人、負傷者80数名の大惨事を引き起こした。この日ローマ他四か所でも爆発が あり、事件は「同時多発テロ」だった。これがイタリアで初めての「無差別テロ」で、以後イタリアでは左右の武装組織によるテロが相次ぎ、「鉛の時代」と呼ばれる重苦しい時代に入る。
この時代は78年のモロ元首相誘拐殺害事件で頂点を迎える。このとき事件を起こした「赤い旅団」は、何人かの政治犯釈放を要求したが政府はこれに応じず、結局モロ議員は五十数日後に殺害された。そしてこの事件直後、議会は「テロリストとそれを保護する者」を取り締まる「反テロ特措法」を成立させた。正式には 「民主的秩序維持法」というこの法律は、危険とみなされた者の予防拘束や、監視や盗聴を合法化し、密告を奨励するもので、この法律そのものがまたイタリア社会に暗い影を落すことになった。
フォンタナ事件は当初左翼アナーキストの犯行と見られて、左翼活動家が次々に検挙され、次には右翼組織のメンバーが逮捕されたが、いずれも証拠不十分で釈放となった。だがイタリアでは「大量殺人罪」には時効がない。一部の捜査判事の努力によって90年代末に何人かの実行犯が特定され、第二次裁判が開かれて去年六月その第一審が結審した。その結果、極右組織の元メンバー三人に終身刑が言い渡された。番組はこの時点からさかのぼって、裁判記録や証言の積み重ねから、厚いヴェールに覆われた事件の輪郭を浮かび上がらせようとしている。
裁判で明らかになったのは、事件が「新秩序」という右翼組織による犯行だったということだ。この組織は ムッソリーニの元側近たちが戦後結成した「社会運動」の流れを汲み、冷戦下で「反共」活動をしていた。イタリアは戦争末期にパルチザンがムッソリーニを倒したこともあって、共産党を始めとする左翼勢力が戦後の政治でかなりの力を保持してきたが、冷戦下のイタリアはNATO軍の重要な前線基地であり、いわゆる「西側陣営」の戦略にとって左翼勢力は厄介な存在だった。そこに「熱い秋」である。
すでに第一次裁判の過程で、事件に軍の上層部が関与していたことが分かっていた。嫌疑をかけられた 右派系ジャーナリストが逮捕直前に国外逃亡し、その逃亡を軍情報部が手引きしたことが発覚したからだ。 テレビカメラが入れるイタリアの法廷で、当時の国防相と軍情報部長が責任をなすり合う光景がイタリア全土に放映されたという(この番組でもそのビデオが紹介された)。また冷戦後の90年代に入って、事件当時の国防相が証言を残し、軍がこのテロ計画を事前に把握しており、その規模をコントロールできる状態に あった(規模を抑えさせようとしたが間に合わなかった)ことを明かした。殺害されたモロ元首相が監禁中に書いた手紙も発見され、そこにも事件への国家と「西側諸国の機関」の関与が記されていた。
それらの散発的な証言に強い照明を当てて事件の全容を推測させるのは、警官殺しで服役中の元「新秩序」メンバーの証言である。この服役囚ヴィンチグエッラは、インタヴュアーに「緊張の戦略」なるものについて語る。敵対者を直接攻撃するのではなく、左翼を装ってテロを起こし、市民の間に恐怖と不安を煽って左翼を危険視させ、社会的な緊張を高めることで、政府が安全保障政策(統制政策)を前面に出しやすくする。 国家非常事態を宣言することもできるだろう。それによって左翼運動を圧殺しようというのが「緊張の戦略」だと言うのである。
ヴィンチグエッラはさらに重要なことを証言する。「新秩序」は「アジンター・プレス」という機関と関係をもち、そこで秘密工作の訓練を受けていた。通信社を装いリスボンに本拠を置くこの機関は、アルジェリア独立運動の弾圧に名を馳せた秘密軍事組織OASの隊員が作ったもので、「共産主義の脅威からヨーロッパを守る」ことを目的とし、NATOやCIAと結んで破壊活動を請け負う実行部隊だったという。このヴィンチグエッラの 証言は内務省の文書によっても裏付けられている。フォンタナ事件の前に「新秩序」を調査していた内務省 は、この組織が「アジンター・プレス」と接触していたことをつかんでいた。
要するにフォンタナ事件は、イタリアの右翼組織「新秩序」が「アジンター・プレス」(国際テロ組織!)の支援を受けて、イタリア社会に緊張を作り出すために仕組まれた「同時多発テロ」のひとつで、国家(軍や内務 省の一部)はこの動きを事前に察知しながら防止の手をうたなかったということだ。「新秩序」は、この事件によって政府が強力な治安政策を採ることを期待していたが、時のルモール首相はなかなか動かず、業を煮 やした「新秩序」はルモール殺害を企てて71年に別のテロ事件を起こしている。それはルモールを罰すると 同時に政府に圧力をかける策だったということになる。いずれにせよ、事件後、左翼に対する取り締まりは強化され、追い詰められた左翼の過激派はテロ活動で対抗するようになる。
この番組からは「無差別テロ」の「効能」と、それを「活用」する邪悪な意志が浮かび上がってくる。「無差別テロ」は社会に不安と恐怖を醸し出し、それに乗じるかたちで政府が強い「治安対策」を採るのを容易にする。このイタリアの例が示しているのは、「テロ」が起きるから(その危険があるとみなされるから)「反テロ特措法」が必要になるのではなく、「反テロ特措法」のような治安立法や、国家非常事態の発動を容易にするた めに「テロ事件」が仕組まれたということだ。そして、「テロ」を実行したのは非合法集団だが、事件を利用してみずからの強化をはかる権力(国家)の側の関与があったということだ。さらに付け加えるなら、「テロ」の恐怖を口実とした治安立法や、国家の権限の拡大(「有事法制」)は、実際に起きた事件の解明を遠ざける ことになる。(2002年6月1日)
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