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ヤシンを暗殺したリクードの思惑
By STRANGELOVE
3月22日、イスラエルが占領するガザ地区で、ハマスの指導者アーメド・ヤシンがイスラエル軍のヘリコプターから攻撃を受け、殺害された。イスラエル政府はヤシンをテロリストと呼んでいるが、パレスチナ側から見れば抵抗運動のリーダーなわけで、暗殺の正当な理由とは言えない。自爆攻撃を批判する一方でクラスター爆弾や劣化ウラン弾、さらには核兵器を容認するのも奇妙な話だ。
暗殺の舞台になったガザ地区がイスラエル軍によって占領されたのは1967年の第三次中東戦争以降のことである。イスラエル軍の奇襲攻撃でエジプト、ヨルダン、シリアなどのアラブ諸国は6日間で敗北したが、唯一踏ん張ったのがファタハだった。このファタハのスポークスマンだったのがアブー・アンマール、つまりヤセル・アラファト(現自治政府議長)である。
イスラエル側はパレスチナ紛争/難民問題は1948年5月15日のアラブ軍の侵攻(第一次中東戦争)にあると主張しているようだが、これは正しくない。この年の3月に紛争が激化したため、4月1日に国連安全保障理事会は総会を招集、その3日後にシオニスト側はパレスチナ征服作戦『ダーレット』を発動、12万1110名のハガナ(シオニストの軍事組織)は1618名のパレスチナ正規軍と2830名のアラブ義勇軍を一掃してパレスチナ全域を支配下においた。この間、4月8日にはデイル・ヤーシーン村で子供を含むパレスチナ人254名をシオニストは虐殺している。
パニックになったパレスチナ人は虐殺を逃れるために避難、約140万人いたパレスチナ人のうち、『イスラエル』にとどまったのは11万2000人だけだった。アラブ軍がイスラエルに攻め込んだのはこうした段階になってからのことである。5月14日にはイスラエルの建国が宣言されている。
さて、本メール・マガジンでは再三、イラク戦争の主要な目的は少なくとも4つあると指摘してきた。石油利権、軍事予算の増加、アメリカ国内の国民監視システム強化(ファシズム化)、そしてイスラエルの戦略である。
ポール・ウォルフォウィッツ国防副長官を中心とする親リクード派(ストラウス主義者)は1992年以来、キリスト教原理主義者と手を組んで中東のアラブ諸国を制圧しようと計画してきた。
イラク攻撃の流れを作るために偽情報を流したOSPのエイブラム・シャルスキーは大学時代からウォルフォウィッツの友人で、ストラウス主義者という点も同じであり、ダグラス・フェイス、ルイス・リディ、エリオット・エイブラムズたちも彼らの仲間だ。
やはりウォルフォウィッツの同志であるジョン・ボルトン国務次官と3月12日に会談したイスラエルのアリエル・シャロン首相は、イラン、リビア、シリアをイラク同様に武装解除するべきだと主張した。ボルトンによると、シャロンはイラン、シリア、そして北朝鮮の脅威を論じたという。
リクードは中東全域を戦場とする戦争を考えているかもしれない。そうなった場合、当然のことながらイスラエルが保有する数百発の核弾頭が世界を恫喝することになるだろう。
蛇足ながら付け加えると、こうした最悪の事態をアメリカのキリスト教原理主義は待ち望んでいる。何しろ、世界が核戦争で破滅しなければ、自分たちは天国へ行けないと信じているのだから。
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