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【イスラマバード=新居益】アフガニスタン暫定政府は25日、西部の都市ヘラートで、国軍の新部隊計1500人の展開を完了した。21日に航空相暗殺事件が発生したヘラートの治安回復が表向きの理由だが、大統領はこれを機にヘラートを支配する軍閥を切り崩し、中央集権体制の確立につなげたい考えだ。
カルザイ政権の威信は地方に及ばないと指摘されていたが、米仏軍が養成訓練中の新部隊が1万人規模に成長し、個別の軍閥なら凌駕(りょうが)する力を備えてきたため可能になった。既得権喪失を恐れ「強力な中央政府」に反発している他の軍閥に与える心理的影響も大きいと見られる。
国防省報道官やヘラートからの情報によると、首都カブールからヘラートへの新部隊の空輸は22日始まり、23日に市内巡回を開始、25日には数十台の輸送用車両が陸路到着した。主に米軍機が部隊を空輸し、米兵が「教官」として付き添い、米国がカルザイ政権を全面支持していることを示している。
航空相の父親であるイスマイル・カーン・ヘラート州知事の部隊は21日、航空相を暗殺したとされるザヒル・ナイブザダ地方司令官の国軍部隊を駆逐し、市内の治安を回復していた。
あらためて1500人もの部隊を送り込む決定について、ルディン大統領報道官は23日の記者会見で、「政府のプレゼンスを高める目的もある」と語った。
カーン知事は、アフガン侵攻ソ連軍や旧支配勢力タリバンと戦ったムジャヒディン(イスラム戦士)の英雄で、タリバン崩壊後はヘラート州など西部5州を実効支配する「アミール(最高指導者)」を自称していた。治安を維持し国内有数の経済復興を実現したとして評価される反面、政治的な反対派の存在を許さぬ独裁者の側面もある。
カルザイ大統領は、カーン氏から兼務していた軍団司令官の地位を取り上げたほか、2月には西部5州のうち2州でカーン氏派の知事を解任、同氏の影響力排除に努めてきた。
(2004/3/26/00:06 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040325id25.htm