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本日発行の「日刊ゲンダイ3・24」9面の「大新聞・TVが伝えない「泥沼イラクの」の真相 浜田和幸」:
表題・リード:「国連アナン事務総長にもイラク石油スキャンダル」
「1000億ドル使途不明、側近は行方知れず」
記事:
「 相次ぐ大規模テロ、イラクの民衆の反米感情の高まりを受け、部首性kんは力ずくの占領統治政策を断念せざるを得なくなってきた。
米英の暫定占領当局(CPA)とイラク統治評議会はこれまでの方針を変え、6月末に予定されているイラクの暫定政府づくりは「国連を軸にして行う」ことに決め、アナン事務総長に要請文を送った。これに対して、アナン氏は前向きに対応する意向を示している。
ところが、肝心要の国連に重大なスキャンダルが発生、アナン事務総長のモラルのみならず、国連への信頼を根底から損ないかねない深刻な事態になっているのである。
いったい、ニューヨークの国連本部で何が起こっているのか。フセイン政権時代のイラクは国連の経済制裁を受けていた。しかし、人道的観点から「石油食糧交換計画」が実施され、国連を通じて石油を国際価格より安く売る代わりに、その代金で食糧や医薬品を購入することは許されていたのである。当然、各国の石油会社はフセインにキックバックを払ってでも十分に元の取れる安いイラクの原油に群がった。
しかし、本来なら国連のイラク石油基金に氏は支払われるはずの売上代金の10%が、フセイン個人の秘密口座に振り込まれていたという。しかも、そのリベート分を差し引いて、実際に国連に振り込まれた石油代金の中からも多額の使途不明金があることが判明したのである。フセイン政権崩壊時に国連が管理していた石油基金は年間120億ドルを超えていた。総額1000億ドル(約11兆円)もの資金がアナン事務総長の右腕といわれるベノン・セバン補佐のもとで使途不明になっているというのだ。
セバン氏は来月、国連を退職する予定だが、現在は「長期休暇」と称して行方知れず。日本政府がイラクに提供する復興支援資金は50億ドルだから、その20倍ものカネが国連から消えてしまったのである。しかも、この基金の監査を行ってきたのがスイスの会計事務所で、そこで担当していたのがコジョ・アナン氏。他ならぬアナン国連事務総長の息子である。
国連はじまって以来の大ピンチに、アナン事務総長はどう応えるのか。国連を最も支えてきた日本としても、見過ごすわけにはいかないはずだ。
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★ この「石油食糧交換計画」巨額汚職事件は、主要メディアがまともに報道しようという姿勢を見せず、国連でも大きく扱われる兆しが見えないという奇妙でとんでもない様相を示している。
末尾にリストアップした各種メディアの見出しを読めばわかるように、巨額公金ネコババ事件をめぐる動きには、政権の座を失い“囚われの身”となったフセインの悪行の一つだったというオチで蓋をしたいという思惑が透けて見える。
仮にフセインが全額ネコババしたとしても、預金口座などの洗い出しが既に終わっており、本人が“囚われの身”となり息子二人も“殺害”されてしまった今、そのカネの多くは回収できる。
それをしようとしないということは、使える状況にいる人物にそのカネが渡っていて、国連主要加盟国や国連幹部職員は、その人物が保有している不正なカネを回収するつもりがないということである。
(フセインの秘密口座の残高で帳尻が合うのならそう説明しているはず)
さらに言えば、アナン事務総長自身が語っているように、「同計画の運営につて、旧フセイン政権のみならず国連加盟各国なども重要な役割を担っていた」(ロイター)のであり、国連関係者もが説明しているように、「調査は石油を購入した仲介者、人道物資を供給した複数の企業、同計画の口座を取り扱ったフランスのBNPパリバ銀行を対象に行われる予定」(ロイター)といわれるほど大掛かりで様々な人間が絡んだ一大汚職事件なのである。
フセインが、自分の判断で原油を売り、その一部を国庫に納めずにネコババしたという“低レベル”の問題ではない。
フセインの秘密口座とやらにカネが振り込まれたのも、“国連のお墨付き”のもとで行われていないはずがない。
国連プロジェクトの名のもとで、フセインだけではなく、イラク原油をネタに私利私欲を貪った連中がごろごろいるのである。
以前にも書いたが、「国連を通じて石油を国際価格より安く売る」という設定そのものがイカサマであり、今回露呈したネコババが企画当初から織り込まれていたことを示している。
イラクが売る価格は安くても、ユーザーが買う価格は国際価格になる。良質とされるイラク原油であれば並品よりも高い価格で買われるのである。
イラク原油を国際価格より安く売れることで、通常マージンを超えた巨額のマージンが生み出される。その“差益”マージンは、イラクに還元されることはないのだから(それならわざわざ安く売るという設定は必要ない)、このプロジェクトを仕組んだ連中の掴みカネとなる。
(取引業者などは通常のマージンに微々たる上乗せで、いろいろと“面倒な”細工をしてくれるはずだから、“差益”マージンのほとんどは、主要国政治家や国連高級幹部などの貪欲な連中に渡ったと推測できる)
このことからも、「石油食糧交換計画」が良質なイラク原油をどうしてわざわざ国際価格より安く売るという馬鹿げた設定になったのかということから調査を始める必要がある。
ノーベル平和賞というアリガタイ勲章を貰ったアナン氏は、実の息子が基金の監査担当者でもあるのだから、調査の実施に必要とされる安保理理事国の支持を積極的に取り付け、自分自身の潔白は最低限証明するはずだ。
また、米国を筆頭とする安保理理事国も、正義と民主主義を尊重すると声高に叫んでそのために軍事侵攻までするくらいだから、前代未聞(?)の国連プロジェクト公金ネコババ事件を黙って見過ごすというトンチキではないはずだ。
この事件がうやむやに葬り去られたら、フセインを超えた“悪党”が「テロとの戦い」をカッコウ付けに利用しながら国際政治を動かしている証である。
※ 関連記事及び書き込み
「【「石油と食料の交換プログラム」一大スキャンダル】イラク:旧フセイン政権、違法収入101億ドル [毎日新聞]」
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/740.html
「旧イラク政権が1兆円強の不法収入=石油・食糧交換計画で−米会計検査院 [時事通信]【読売や朝日という主流派メディアは?】」
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/753.html
「旧フセイン政権、国連計画利用し不法収入1兆円余 [CNN]【国連の不正や米国側の疑惑に触れず】」
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/930.html
国連事務総長、イラク支援策の不正疑惑で第三者の調査求める [ロイター]【なぜかこの問題を無視する主流派メディア】
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/844.html
「表のカネは米国(傀儡政権イラクを含む)へ、裏のカネはブッシュ派・フセイン派・国連高級官僚へ」
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/851.html