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【奇っ怪ニッポン】
2004年6月3日 掲載
構造改革必要な記者クラブ
首相と宮内庁長官は特別扱い
弱きを挫(くじ)き、強きを助ける、何ともイヤハヤな世の中になってきました。北朝鮮に拉致された儘(まま)、行方が判らぬ人々の家族が、その更なる解明を訴えると抗議の電話やメールが殺到するのですから。
実は彼らは、感謝の気持も語っているのです。にも拘(かかわ)らず、そうした部分はテレビでも新聞でも何故か報じられず、切々と訴えている筈(はず)の彼らの心情は、視聴者や購読者の元に届いていません。
他方、金正日なる人物に両手を差し出して拝謁し、のみならず彼は優秀な指導者だ、と礼賛発言すら行った「屈辱外交」の主人公・純ちゃんは、家族会から苛(いじ)められる可哀想な人物として印象付けられています。
首相と家族の面談取材は、感謝を伝える冒頭3分間だけの筈でした。が、首相官邸側は敢(あ)えてマスメディアの退席を求めず、その直前の方針転換が、「功を奏した」形です。けれども、と僕は思います。一体、政治は誰の為に存在するのだろうか、と。虐(いじ)められっ子・純ちゃんを演じる輩(やから)は自己中心主義の極致に他ならず、その先棒担ぎを行うマスメディアも強きを助ける存在ではないか、と。
マスメディアの「腐敗」を痛感するのは、「皇太子に発言の真意を問い質(ただ)す意向」なる表現でテレビや新聞が、宮内庁官僚の肩を持つかの如き報じ方をしている点もです。
皇太子妃への宮内庁官僚の意地悪は最早(もはや)、公然の秘密ではありませんか。外遊よりも“夜伽(よとぎ)”に専念せよ。更には、もっとあられもない表現が飛び交ったのも恐らくは事実でありましょう。
断腸の思いで皇太子は会見に臨んだ筈です。が、宮内庁もマスメディアも、その事実を解明し、責任を明確にする事もなく、逆に、現長官以前の時代の話、と皇太子に発言させる事で、責任逃れを画策したのです。
更には、その結果として「判明」した事実、即ち警察庁出身の鎌倉節、長野県出身で現在は日本赤十字社長の藤森昭一の両名が長官だった時分の調査を、宮内庁記者クラブは行おうともしません。如何(いか)なる理由が有って、夜討ち朝駆けで件(くだん)の2名にマイクを向けようともしないのでしょう? 何故、皇太子の会見とは異なり、現長官や東宮大夫の発言を映像で流さず、全文掲載も行わないのでしょう。
斯(か)くなる取材を敢行すると今後、宮内庁から取材拒否に遭うかも知れぬ、他社から袋だたきに遭ってクラブから排除されるかも知れぬ、と恐れているのです。何と不甲斐無き連中でありましょう。
職業も居住も発言も、その自由が著しく制限されている天皇一家の人権よりも、官僚の人権や自分達の既得権益の保持に汲々(きゆうきゆう)とするマスメディアは、いっそ解散した方が「構造改革」ではありますまいか。【田中康夫】
http://gendai.net/contents.asp?c=025&id=53