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北京で3日、地下通路から天安門広場に出て行進する警察官ら=AP
http://www.asahi.com/international/update/0603/008.html
天安門事件15年 中国、民主化の再燃防止へ締め付け
民主化を求める学生らを武力で鎮圧した天安門事件から4日で15周年を迎え、中国政府は運動の再燃を防ぐため締め付けを強めている。深刻化する貧富の格差や腐敗問題に対する国民の不満が民主化運動と結びつけば、共産党の指導体制への批判に結びつきかねないからだ。学生らの「動乱」とされた評価の見直しを求める意見も国内外から出ているが、現指導部が再評価に踏み出す動きは見えない。
北京の天安門広場では3日、公安当局や武装警察の車両があちこちに置かれ、警察官の姿も通常より目立った。4月には「天安門管理規定」が施行され、広場の秩序を乱す行為は処罰することが明確化されている。
政府は今春以来、事件の関係者への監視を強めてきた。香港やニューヨークの人権団体によると、事件の犠牲者の家族でつくる「天安門母親運動」の中心メンバー丁子霖さんら7人が4月末から外出を禁じられた。また5月末には、民主活動家ら数人が自宅から北京や大連の宿泊施設に強制的に移され、軟禁されている状態だという。
北京のある共産党直属機関では5月半ば、突然職員が集められ、会議が開かれた。出席者によると、機関の幹部が公安当局から届いた通知を説明。事件から15周年を迎えるのを前に、民主化運動や、非合法化された気功グループ「法輪功」の活動が活発化する可能性があると指摘し、目撃した場合はすぐに報告を求める、という内容だった。
通知ではさらに、こうした活動が貧困や農村問題をめぐる政府批判に結びついて広がることへの警戒も呼びかけたという。経済発展によって貧富の格差が広がり、党や政府幹部の汚職は増え続けている。ため込まれた民衆の不満に火がつけば、反政府活動が一気に広がりかねない、と当局が心配している表れだ。
中国政府は現在も、事件を「政治風波」と位置づけ、「果断な措置をとったことで安定を守り、経済建設や人民の生活によい影響をもたらした」(外務省の劉建超(リウチエンチャオ)副報道局長)としている。
だが最近は事件の再評価を求める声が、海外に逃れた活動家だけでなく、中国国内からも出ている。新型肺炎SARSの流行時に、当局の情報隠しをメディアに告発した軍医の蒋彦永氏は今春、事件は学生らの「愛国運動」だったと評価し直し、武力鎮圧の誤りを認めるよう訴える書簡を指導部に送った。国内では報道されていないが、ネットを通じ多くの国民が知っているという。
共産党筋によると、内部の会議では「中国の対外イメージを改善するためにも再評価すべきだ」との意見は出ているという。ただ、胡錦涛(フーチンタオ)国家主席ら指導部は「人権の重視」を掲げてはいるものの、事件の再評価に取り組む動きは「今のところない」(同筋)。格差是正など内政に追われているうえ、事件後にトップの座についた江沢民(チアンツォーミン)前国家主席が中央軍事委主席として依然権力を握っており、再評価を持ち出せば政治的緊張を招くからだ。
◇
天安門事件 89年4月に死去した改革派指導者の胡耀邦・前共産党総書記の追悼集会をきっかけに、北京の学生らが大規模な反腐敗、民主化要求の運動を起こした。トウ小平・中央軍事委主席ら指導部は運動を「動乱」と断じ、学生らが集結していた天安門広場に6月3日夜から4日朝にかけて軍を投入し、制圧した。当局が公表した死者は319人だが、実際の死傷者数ははるかに多かったとされる。学生運動を愛国的だと評価した趙紫陽・党総書記はこの後失脚し、江沢民・上海市党委書記が党総書記に抜擢(ばってき)された。(肩書は当時) (06/03 20:50)