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小泉流テレビ政治のワナ (Tokyo)
http://www.asyura2.com/0403/senkyo3/msg/638.html
投稿者 ああ、やっぱり 日時 2004 年 5 月 25 日 12:05:09:5/1orr4gevN/c
 

特報:小泉流テレビ政治のワナ
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20040525/mng_____tokuho__000.shtml

電撃的な再訪朝で拉致被害者の子どもたち5人を連れ帰った小泉首相の支持率が上がっている。国民の目は、家族と再会を果たした子どもたちに集まり、テレビカメラもその動きを追う。「屈辱外交」と非難する家族会の声もかき消されがちだ。参院選前の見え透いた外交パフォーマンスと指摘されても、支持率アップにつなげる。小泉流テレポリティクス(テレビ政治)のワナとは−。

「脱帽だね」

小泉首相の再訪朝を「評価する」と答えた人が、各社の世論調査で軒並み六割以上に上ったことに、首相周辺は二十四日、思わずこう漏らした。発言には、世論を引き寄せることにたけた“小泉マジック”への驚きがにじむ。

実際、二十二日の帰国直後、小泉首相に向けられた拉致被害者家族の怒りは激しかった。家族連絡会代表の横田滋さんは「予想された内で最悪の結果」と憤り、田口八重子さんの兄で副代表の飯塚繁雄さんは「子どもの使いに等しい」と吐き捨てるように言った。

■全国紙調査で10ポイント前後上昇

だが、各社が二十二日夜から二十三日にかけて行った世論調査では「評価する」との回答が、毎日新聞で62%、読売新聞で63%、朝日新聞で67%といずれも六割を超えた。内閣支持率も毎日58%、朝日54%となり、それぞれ訪朝直前の調査に比べて10ポイント前後上昇した。共同通信の調査でも54・9%と前回調査から1ポイント程度上昇している。

小泉首相にも“サプライズ”だったはずの世論調査結果は何を意味するのか。

米紙ワシントン・ポストの元記者で、学習院女子大の石沢靖治教授は「家族会が憤るように、本質的なことを考えると、明らかに小泉首相にとっては失点で、普通なら世論も“失敗”と受け止める内容だ」と指摘しながらこう話す。

「横田夫妻らの怒りの声も、テレビで繰り返し報じられる親子の再会のストーリーに埋もれてしまった。ヒューマンストーリーは、ジャーナリズムが得意とするところで、しかも、今回はあらかじめ筋書きが予想されていた。ある種、メディアの責任でもあるが、報道の主軸が家族の再会にあり、『会えて良かったね』という国民感情が支持率上昇につながっている」

関西大の李英和助教授も「とにかく五人が帰ってきたことへの喜びに尽きる。曽我ひとみさんの家族も帰れなかったが、いずれ会えるという見通しも『よかったね』という感動につながった」とみる。

CM総合研究所の関根建男代表は「訪朝結果について、家族会は批判したが、普段は立て板に水の小泉首相は忍の一字で耐え、沈黙を通した。茶の間では『家族会』の反応にむしろ戸惑いを感じたのでは。一方で、帰国した子どもたちは、オールドファッションながら想像以上に清潔感があった。その映像が繰り返し流れ、視聴者は『健やかに成長した子どもたちがちゃんと帰国したじゃないか』と安堵(あんど)し、小泉外交を一転評価する“大逆転”が起きた」と分析する。

小泉流テレポリティクスの成果が表れたということか。政治評論家の森田実氏は「再訪朝は政治倫理や社会正義を考慮せず、国民人気を上げる意図しかなかった。人気をバロメーターに“政権の正当性”をつくり上げ、国民を権力で引っ張っていく危険な政治家だ」と切り捨て、今回のメディア戦略を解説する。

「政権発足時からついているメディア研究専門家の見通しで、今回の訪朝でも『映像で絵になること』を優先すれば、一般国民はついてくるという分析があった。最低ラインの五人帰国で批判を浴びても『親子の再会の映像が感動を呼び批判はすぐ下火になる』という計算があったのではないか。曽我ひとみさんの家族も含めた八人の帰国が実現していたら、手をつないで一緒に帰っていた映像も撮影させただろう」

■外交常識無視「頭は参院選」

外務省サイドの情報では当初から五人は帰国できるという情報があった。なぜ、首相自らこの時期に再訪朝する必要があったのか。
森田氏は「下交渉の結果、外務大臣の訪朝でも五人は帰ってきたはずだ。相互訪問が外交の基本なのに、外交常識を無視し人気取りだけを考えた。年金未納政局から国民の目を外交に向け、参院選に勝利することしか頭にない」と批判する。

自民党関係者らによると、六月二十日前後の再訪朝の計画が前倒しされたとの見方もある。政治評論家の浅川博忠氏は「何人かの家族を連れて帰り、六月八−十日のシーアイランド・サミット(米国)で金総書記との会談の成果を披露する“二段構えの戦略”があった」と推測して続ける。

「金総書記と最近直接会った唯一の人物として、北朝鮮の核とミサイルに対する考え方を披露すれば、サミットで注目を集める存在になれる。国際舞台での活躍をメディアで大きく取り上げられる意義を計算したのでは」

さらに、浅川氏は「今後、曽我さん一家の再会の映像も出る。小泉首相がサミットでブッシュ大統領にジェンキンス氏の訴追免除のお願いをして、一家来日が政治決着する可能性もある。周囲の批判を乗り越えて、テレビ映像の力で参院選は勝利できるのではないか」とさらなる映像効果が待ち受けると指摘する。

小泉首相側が、テレビを都合よく利用できないケースもあった。再訪朝前の日本テレビがそうだ。「コメ二十五万トン支援」を報道した日テレを飯島勲・首席首相秘書官サイドが、首相同行から一時除外する動きを見せた。首相官邸の関係者は「政権の延命にかかわる報道をしたのが、親しいと感じていたテレビ関係者だったから余計気に障ったらしい」と指摘する。

一方で、小泉首相が直立不動で金総書記を出迎え、見送るテレビ映像が流された。森田氏は「立ち位置の指示に従うなど、金総書記のパフォーマンスに小泉首相が協力した形で、“偉大なる将軍様の僕(しもべ)”の映像だ。熱烈な映画ファンで完全にメディアを掌握している金総書記のパフォーマンスが一枚上手だった」とみる。

さて、今後も小泉内閣の支持率は上がるのか。コリア・レポートの辺真一編集長は「小泉首相が約束を守ることで、そう遠くない時期に、安否不明者の情報などを(北朝鮮が)出してくるはずだ。参院選前になることもあり得る。そうなると支持率はさらに上がるだろう」。

一方、森田氏は「専門家レベルでは小泉批判のオンパレードだ。その論調に一般国民も徐々に気づき、訪朝の真相が分かってくる。内閣支持率は一、二週間で下降するはずだ。参院選向けの戦略としては失敗だった」と話すのだが。

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