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http://www.asahi.com/national/update/0522/017.html
「再調査」10人の家族、首相に不満・落胆
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訪朝から帰国した小泉首相は22日夜、都内のホテルで拉致被害者や「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)らに会い「行方不明の方々については、強く再調査を求めた」などと首脳会談の結果について報告した。家族会の横田滋代表は「結果だけ見ると一番悪い結果が出た」と話し、10人の拉致被害者について進展がなかったことなどを批判した。
◇ ◇
拉致被害者と「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)のメンバーらは22日夜、東京都内のホテルで小泉首相から日朝首脳会談について報告を受けた。「今後も粘り強く交渉したい。皆さんの協力をお願いしたい」と語る首相に、家族からは「(小泉首相に)解決能力がないなら、次の政権にやってもらうしかない」など、一様に厳しい批判が出た。
会合には拉致被害者5人のほか、家族会のメンバーや細田官房長官、自民党の安倍幹事長らが出席した。
首相は曽我ひとみさんの家族の第三国での再会方針について説明し、「一緒に過ごすことができるように政府が努力したい」などと話した。
これに対し、口火を切った家族会代表の横田滋さんは「結果だけみると一番悪い。食糧支援を(家族の)帰国の引き換えにしたのではないか、と疑惑を持たれるかもしれない」と批判した。
横田早紀江さんも「もっと金正日と対決してきて欲しかった。あんなに短い時間で首相が怒りの声を上げてくれたとは思えない」と話した。増元照明さん(48)は「総理にはプライドがおありになるのか。(ジェンキンスさんに)なぜ、あそこで意思確認したのか。解決能力がないなら、次の政権のトップにやってもらうしかない」。
ほかにも「何を叫び続ければ政府が動いてくれるのかわからない」「随行した官房副長官や政府職員も首相が決断する前に助言して欲しかった」と厳しい声が続いた。
小泉首相は発言者を見て、うなずきながらメモをとった。首相が発言している間、蓮池さん夫妻、地村さん夫妻は首相を見つめた。曽我ひとみさんはうつむいたままだった。
首相との会談に先立って行われた家族会などの記者会見でも、強い批判一色だった。
田口八重子さんの兄飯塚繁雄さん(65)は「これではまったく子どもの使いに等しい。先行き真っ暗な気持ちです」と力が抜けた様子だった。有本恵子さんの父明弘さん(75)は「政治家として責任をとるべきだ」と語気を強めた。
拉致議連の平沼赳夫会長も、経済制裁をしないという約束を「安易な妥協をしたという批判は免れない」と話した。
政府は未認定だが、拉致の疑いを指摘されている特定失踪(しっそう)者について、首相の記者会見では言及がなかった。上京した札幌市の斉藤由美子さん(67)は「わずかな望みを持っていたが、それも消えた」と涙ぐんだ。弟の裕さんは68年に北海道稚内市で行方不明になった。
◇ ◇
小泉首相が22日夜、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会に対して行った訪朝の説明と、主なやりとりは次の通り。
〈小泉首相〉 地村さん、蓮池さんのご家族は帰国できたが、曽我さんのご家族は今後北京などの第三国でお会いする機会を設けることになった。家族の方々が一緒に過ごすことができるように努力したい。安否不明や行方不明の方々については強く再調査を望んできた。金国防委員長は「白紙の状況で、今後再調査したい」とのことだった。私は日本と北朝鮮の非正常な関係を正常化させ、敵対関係を友好関係にもっていきたい。
〈横田滋さん〉 一番悪い結果が出た。コメ支援も帰国の引き換えにしたんじゃないかと疑念を持たされる。
〈増元照明さん〉 解決能力がないなら次の政権のトップにやってもらうしかない。
〈横田拓也さん〉 過去に出した150の質問に何の回答もない国から「再調査をする」と言われても意味があるのか。なぜ午前早々に会談を打ち切り、帰国されるのか理解できない。
〈横田哲也さん〉 なぜこの状況で経済支援が妥当と思ったのか。
〈平野フミ子さん〉 「私が人質になる」と言ってでも、残ってきて欲しかった。
〈横田早紀江さん〉 もっと対決してきてほしかった。あんなに短い時間で総理が怒りの声をあげてくれたと思えない。
〈浜本雄幸さん〉 うれしいというより、悲しい。ジェンキンスさんについてなぜ手を打っていなかったのか。
〈小泉首相〉 みなさんの長年のつらい思いを感じている。金委員長が「今まで死亡とか行方不明について、解決済みと言ってきたが、白紙の状況で再調査する」と言った。再調査で解決するのが筋ではないか。ご破算だと言って帰ってきたら家族も戻らない。私のプライドよりもご家族が日本で暮らせるように取りはからうのが仕事だ。
人道支援への批判も承った。圧力を強めろとの声もある。しかし、先方がはしにも棒にもかからない状況からみて、訪朝しなければ家族の帰国もなかった。ジェンキンスさんについても、私が会わなければ帰らないことが決定してしまうから会った。国交正常化への責任はすべて私にある。批判は甘んじて受ける。しかし、正常な関係に持っていくのが私の役目だ。 (05/23 00:55)