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2004/05/20
霧雨となった16日の日曜日、むかしは軍人会館と呼ばれた東京・九段下の「九段会館」大ホールは、1000人近い「平和主義者」たちの熱気が充満していました。
【国家が人殺しを公認する】という不条理を、そして【戦争で命を落とす】という理不尽を、この世から無くすことができる【人類の英知】を、信じて行動する人々が、主にインターネットでの呼びかけでここに集まったのです。靖国神社に眠る【英霊】たちも、この熱気を応援しない筈はないでしょう。
著書にサインする天木直人氏。左はきくちゆみ氏
ここで行われたのは、イラク戦争に反対する電報を小泉首相に送り外務省をクビになった前レバノン特命全権大使の天木直人さんと、日本国憲法の精神を正しく認識して活動する弁護士を育てるために自らは弁護士を辞めて「伊藤塾」という司法試験予備校を主宰している若きリーダー・伊藤真さん、そして、最近「リコウの壁とバカの壁」という本を出し「まだヨーローさんに負けている」と口惜しがっている(?)、ローヤー木村こと木村晋介弁護士を司会者とする「スーパートーク・天木直人&伊藤真」(主催:平和政策塾)。テーマは「外交 × 憲法 = 平和」。
また、幼児を抱えながら、戦争をなくすために日本中を、アメリカ中を走り回って、ジャーナリストとして平和プロデューサーとして大活躍しているスリムな美女、きくちゆみさんも、近く公開される映画「テロリストは誰?」の超ダイジェスト版の紹介に駆けつけました。http://www.wa3w.com/
そして、急遽来場が決まったのが、イラクでファルージャ市のレジスタンスたちに拘束されて彼らから日本国民(日本政府ではない)へのメッセージを託された若きカメラマン・郡山総一郎さん。
天木さん、伊藤さんの平和憲法スーパートークについては、ここでは要点を述べるにとどめます。
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日本国憲法に謳われた【戦争放棄】は、今の世界では「非常識」といわれるが、アフガニスタンやイラクでアメリカが強行したような「戦争」が今後も容認されていくとしたら、その先にあるのは【人類の破滅】である。
今ほど「戦争の不合理性」が露わになったときはかつてなかった。戦争という【権力の暴力装置】は、シビリアンコントロールが効かなくなっている。「あぶないおもちゃ」は持つべきでない。【軍人】というのはどうしても【軍隊】の存在意義を求めるようになる。そして軍需産業は新たな戦争を求める。
日米同盟と言うが、まったく対等でない。日本はアメリカに「守っていただく」という「奴隷の平和」である。外務省はもとより、国民の多くも「アメリカ縛り」のようになっている。では、日本が「主体的」に行動できるためには、改憲して、正規軍を持つのが良いのか?しかし日本には情報収集能力が殆ど無いから、結局アメリカ軍の一部になってしまう。
勇気と英知をもって「軍隊を持たない」という選択をしなければ、未来は無い。「戦争放棄」こそが「現実的」であり、「近代社会の普遍的な価値」である。
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筆者はロビーで偶然にも【地球憲法九条】の翻訳者であるクニヒロ正雄さんにお会いしました。本の復刊についてJanJan読者からの協力のことも承知しておられ、やっと復刊の出版社をみつけたのだが、原著者のオーバビー氏から、大量の改訂原稿が送られてきて、そんな余裕が無いことを説明するのに難渋している、というお話です。「センセイの英語力で」と言うと「このごろ英語はしゃべりたくない。鬼畜米英だ」などと冗談をおっしゃっていました。
《次ページは、郡山さんが話した「あの時のこと」です》
(安住るり)
◇
復刊ドットコム:http://www.fukkan.com/
お問い合わせ先:info@fukkan.com
http://www.janjan.jp/government/0405/0405184427/1.php
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あいかわらずバッシングの手紙などが来るが、自分は気に掛けていない。興味を持ってくれている、と考えている。テレビなどで発言するたびに家族にまで批判がドッと来るので「出るのをやめてくれ」と実家から電話がきていたが、最近は「おまえは間違ってない」と言ってくれたので「やっと分かったか」という気持ちだ。
郡山総一郎氏。右は筆者。STAFFの札を着けていますが、会場案内のお手伝いをしただけです。主催団体のことは何も知らないボランティアとして参加しました。
イラクに行った理由。かつてイラクでは、日本人と見ると「サディーク」(ともだち)と話し掛けられ、非常に親日的だった。それが、自衛隊派遣によってどう変わったかを確かめたかった。Japanese Army, why? と盛んに訊かれ、対日感情の悪化を実感した。
米軍の攻撃によるイラク市民の被害の実情を見ることが、もうひとつの目的だった。街中が不発弾だらけで、日常的に被害が続いている。イラク人は何百人死んでも、カウントさえされない。許しがたい状況だ。その悲惨な事実を世界に報せるには、ムジャヒディンたちは、「外国人拘束」という手段を採るしかなかった。
バグダッドで解放される前に、モスクに連れて来られたが、まだ状況が全く分からず、「撮るのが仕事なんだ」と言ったことなどが断片的に日本で報道されて批判されていたことを後から知った。
劣化ウラン被害の子供たち
いまになっても、日本政府が僕たちに何をしてくれたのか、よく分からない。帰りのチケットを持っているのに(チャーター機で)ドバイに行くときかされて、「ナンデ?」と思ったが、「日本政府が救出した」という形にしたいんだな、とわかってきた。
バグダッドの日本大使館に着いてすぐ、僕は一時間くらい、高遠さんと今井くんは二時間半くらい日本の公安警察から事情聴取された。詰問調で不快だったので、僕は短く答えた。
後で聞いた話では、解放された人質から事情を聞くときには、精神科医を同席させて、心身の状態を見ながら短時間から始めるのが普通だそうだ。「自作自演」説があったことをきいて、公安のあの態度の理由がわかった。
今後のこと。フリージャーナリストやNGOなどの共通の気持ちは「現場に行くこと」だ。僕はこれからも行き続けて、イラク国民のスピーカーになります。
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大きな拍手と「頑張って!」という声援まで飛び、舞台上で彼は深くお辞儀をしました。でも廊下に出て一息ついている郡山さんは、もう普通の若者にもどっていました。頭の中は、イラクの友人たちの身の上のことで一杯なのでしょう。
会場ロビーでは、天木さんの著書にサインをしてもらう人の長い列が出来ていました。首相に直訴して外務省を辞めた、という「非常識」な行動から、激しい性格かと想像しがちですが、実に穏やかな、謙虚で柔軟な精神の持ち主であるとお見受けしました。
劣化ウラン弾について研究・告発しているグループが売っていた「マンガ版・劣化ウラン弾」から、イラクの放射能被害者のこどもたちの写真を転載しました。自衛隊も、確実にこの被害を受けているのです。
またまた偶然にロビーで再会した、ヒロシマの被爆者で世界中で「原爆」の悲惨さを伝える活動を続けている天野文子さんと、きくちゆみさんと共に、それぞれのパワーを交換しあったような、元気の出る充実した一日でした
最後に、私の知人で大阪の奇人(?)文芸評論家カジポンからの最近のメールの一部を転載します。
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「いろんなことがあるけれど、私はまだ人間は心の底では善良なのだと信じています」(アンネ・フランク)
※国連関係の資料を調べていて驚いた。今年3月の時点で軍隊を保有していない国が、なんと23カ国もあった!内訳は、アイスランド、パナマ、リヒテンシュタイン、コスタリカ、サモア、バヌアツ、アンドラ、モナコ、サンマリノ、ハイチ、ドミニカ国(ドミニカ共和国とは別)、セントルシア、グレナダ、ソロモン諸島、ナウル、ツバル、キリバス、マーシャル諸島、パラオ、ミクロネシア、アンティグアバーブーダ、セントクリストファーネイビーズ、セントビンセントグレナディーンズ。
大半が小国だけど、数だけでいえば既に国連加盟国の1割以上が正規軍を持っていないことに。なんか……ちょっと感動!
※『マジな戦争根絶案』の英文訳が完成!なんと翻訳して下さったのは、国連世界食糧計画(WFP)の職員として、スリランカ在住の方(邦人)ですッ!
http://homepage2.nifty.com/kajipon/kt/peace.html
(安住るり)
http://www.janjan.jp/government/0405/0405184427/2.php?PHPSESSID=5af3619cfbaf1f040d0c1f890c8d9ed8