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人道支援水あけられる 日本の無償資金でサマワ給水 仏NGO(12万人分)は陸自(1万6000人分)の8倍【東京新聞】紙より
5月13日朝刊、「ニュースの追跡」
陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワなどで、フランスのNGO(非政府組織)が、日本外務省の無償資金協力で給水活動を開始する。給水対象は約6万人で、陸自の給水目標1万6000人を大幅に上回る。人道支援目的で派遣された自衛隊が、最重要な任務でNGOに劣ることになるが――。
仏人の従事なしすべてイラク人
外務省無償資金協力課によると、活動を実施する仏NGOは「アクテッド(ACTED)」。同団体の要請に基づき、外務省は先月二十日、約四千万円の無償資金協力を決めた。
資金は給水車両三十五台のレンタル料(6カ月分)などに使われ、サマワのあるムサンナ州内の新ルメイサ浄水場から、サマワ市南部などの住民を対象に給水する。給水作業は、現地で雇用したイうク人だけで実施され、フランス人は従事しないという。
給水量は一日あたり六百〜七百トンの計画で、給水対象は約六万人になる。これに対して、陸自がサマワで実施している一日あたりの給水量は約八十トンで、対象約一万六干人にすぎない。
防衛庁広報は「八十トンは陸自が派遺している浄水セットの処理能力」と説明、浄水場から配布だけのアクテッドとの違いを強調する。
しかし、アクテッドの給水は一人一日あたり約十gの計算なのに対し、陸自は一人一日あたり五gで計算している。その陸自基準で換算すると、アクテッドの給水量は十二万人分をまかなえる計算だ。今回のNGO給水だけで実質的に「サマワでの給水需要九万人」(石破防衛庁長官)を上回ることになる。
それでは、多額の予算を使った自衛隊の人道支援の意義に疑問が出てくる。
「自衛隊派遣費400億円どこに」
日本国際ボランティアセンター(JVC)の中東担当、佐藤真紀氏は「現地で浄水会社が活動しており、自衛隊が別に浄水活動する意味はなく、既存の浄水会社を支援した方が効率がいい」と切り捨てて続ける。「道路補修や学校建設でもNGOを使った方が安く上がるのは当たり前。(約四百億円とされる)自衛隊のイラク派遺経費がどこにどう使われているか分からないのが聞題だ」
効率悪すぎ…「政治利用だけ」
自衛隊の人道支援の意味について、佐藤氏は「効率からみるとNGOと比較にならない茶番で、安全保障を重視した対米追従の意味しかない。自衛隊の派遣直後に、学校補修のNGOに資金援助した事実からも、政府が自衛隊に本気で人道支援を求めていたとは思えない。『人道支援」という言葉を政治利用しているだけだ」と問題視する。
自衛隊と重なる地域で活動するNGOに無償支援した外務省の意図について、佐藤氏は、こう推測する。 「自衛隊とは別にNGOを支援することで日本政府の中立性を強調し、イラクとの友好関係を確保しようという意図を感じる。復興支援よりも安全第一の視点で選定したサマワの治安も悪くなり、自衛隊員の安全のための側面支援ではないか。イラク問題で米国と対立したフランスのNGOへの支援を決めたのも、国際的なバランス外交の狙いがあるのではないか」