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米海兵隊士官だった政治学者のダグラス・ラミスさんは、自衛隊イラク派遣の本当の目的は「人道支援」ではなく、米国の占領の正当化であることが、邦人人質事件を通して明らかになったと指摘した。今後、自衛隊が戦闘に巻き込まれた時、憲法九条は「最大の危機を迎える」と語った。
――憲法改正に向けた動きが急速に進んでいる。
改憲派は「変えるのは九条だけじゃありませんよ」と、環境権なども入れたパッケージを作るのだろう。九条には二通りの死に方がある。一つは手続きを踏んだ明文改憲。もう一つは海外に派遣された自衛隊が、軍事行動中に相手を殺してしまうことだ。
イラク特措法は国連平和維持活動(PKO)法に準じて、刑法の三六条(正当防衛)、三七条(緊急避難)に該当する場合以外には、武器使用を禁じている。しかし、隊員が正当防衛などに当たらない状況下で人を殺せば、九条が否定する交戦権の行使になる。交戦権とは、兵隊は人を殺しても罪にならないという特別な権利だ。
――イラクではまだ戦闘が続いている。
イラクは戦場だ。戦闘に巻き込まれる可能性は高い。軍事行動の法的根拠を持たない組織に、武器を持たせて海外の戦場に送り出す意図は何か。イラク人の役に立つかどうかではなく、軍事行動をせざるを得ない状況をつくり出そうとしているのでは。
人質事件の際、福田官房長官は自衛隊の撤退は「理由がない」と述べた。しかし、いま自衛隊がやっている給水活動などはそれほど重要なのだろうか? もしサマワにいたのが水道技術者だったら、工事を一時中断してクウェートに撤退させたのではないか。
――自衛隊派遣の本当の目的は何か。
今回の事件ではっきりしたのは、自衛隊派遣の目的は「人道支援」ではなく、米国の占領を支持し、正当化するためということだ。そして、憲法と自衛隊との矛盾が露骨に見えるようにして、改正の雰囲気をつくろうとしているように思える。
これまでのところ、自衛隊は撃たずにすんでいる。数多くの車両や鉄砲を持ち込んで活動しているが、自衛隊員が人を殺さない限り憲法九条はまだ生きている。誰も殺さないで戻れば九条はひとまず生き延びるだろう。
――解釈改憲の積み重ねですでに九条は危篤状態という意見もある。
自衛隊が誰も殺さずに帰ってきた場合、九条は矛盾だらけの状態に戻るだけだ。仮に自衛隊がイラクで戦闘に巻き込まれた場合、憲法は大きな危機に直面する。
二つの可能性があると思う。一つは世論が改憲容認に一気に傾くこと。もう一つは九条が掲げる平和主義は極めて重要であり、その価値を実現させなければならないという声が結集され、国民的な運動が始まることだ。世論がどう変わるのか興味深い。
――卒業式での国歌斉唱の強要などの動きがある。
国は「君が代」を子どもたちに喜んで歌ってほしいとは願っていない。震えながら歌ってくれればいいのだろう。君が代の強制は愛国心ではなく、恐怖心を植え付ける。
――沖縄の地で今、憲法をどう考えているのか。
二十代の一年間、私は米国・海兵隊の士官として沖縄にいた。日本には三十年以上暮らし、四年前からは沖縄に住んでいる。かつて復帰運動をしてきた人たちは、平和憲法を持っている日本に復帰したいと考えていた。
復帰前、沖縄の人は平和主義の九条に加え、基本的人権を保障する憲法を希求していた。しかし、いまやその九条が死にかかっている。復帰はいったい何だったのかと考える人が沖縄で増えてもおかしくないだろう。
C・ダグラス・ラミス 67歳。政治学者。専攻は日本社会論、西洋政治思想史。元津田塾大教授。現在は沖縄を拠点に執筆、講演活動を続けている。著書に『憲法と戦争』(晶文社)、『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』(平凡社)など。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20040503/mng_____kakushin000.shtml
http://www.tokyo-np.co.jp/kakushin/
『なぜアメリカはこんなに戦争をするのか』C・ダグラス・ラミス
憲法改正:米国は日本の軍事的役割の拡大を期待 [The Japan Times]
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