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神戸新聞 特集兵庫県警 捜査書類ねつ造
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu04/0701ja26740.html
より:
捜査書類ねつ造/これは明らかに犯罪だ
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu04/0701ja26740.html
兵庫県警は病み、危機状態にあると、いわれても仕方ないのではないか。
県警自動車警ら隊の隊員らが、自転車やバイクの盗難事件で被害者をでっちあげるなどし、虚偽の捜査書類を作っていたことがわかった。書類の偽造は昨年、一昨年の二年間で二百件以上、不正に加担した隊員は、五十人以上いるとみられる。
この種の窃盗事件は一般に軽微なものとして扱われる。被害者や所有者が分からないことも少なくない。被害者不詳では窃盗にならない。そこで、所定の書類に架空の被害者名を書き込んでいた。もっともらしく見せるのに市販の三文判を買い集め、捺(なつ)印していたというから、悪質だ。
驚いたことに、こうした不正はきのう、きょうのことではないらしい。十年も前から行われていたという話もある。本紙が伝えるところでは、架空の被害者を仕立てた書類をつくることを「おつくり」、隊員たちの手柄のように装うことを「おもらい」と呼んでおり、常態化していた。
いうまでもなく、これは犯罪である。それを冗談まじりに話し、まったく恥じるところもない。警察への信頼を自ら損ねる。あきれた話だ。
組織ぐるみで半ば慣行化したのは、軽微といえ事件があったことは事実であり、多少の情報操作は許される、といった権力の思い上がりだろう。県警内には、同情論のようなものもあるようだ。だが、そうした思い上がりと感覚のマヒが、時に警察の暴走やえん罪を生む背景となったことを忘れてはならない。
職場の幹部がいさめたことで、不正が一時期、やんだこともあったという。それも上司が代わると元のもくあみに戻った。よく指摘される悪しき検挙主義が、是非の判断も狂わせたということだろうか。
日本の刑法犯は、年間三百万件に達する勢いで、増え続けている。検挙率は20%前後と低い。外国人犯罪も増加し、警察官増員の理由にもなっている。だが、こんなでたらめが通るようでは警察が発表する数字を疑ってかからねばならなくなる。
警察は閉鎖性の強い組織であり、一点の曇りもない厳正な捜査が求められる。目に見えないところで何をするか分からないということになれば、信頼は保てない。
ここ数年の不祥事続きで兵庫県警は何度も出直しを誓ってきた。その舌の根が乾くか乾かないうちに、また、不正があったでは済まない。関係者の厳正な処罰はもちろん、不祥事の背景を徹底的に明らかにし、県民が納得のいく説明を求めたい。
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まことに報道のとおりである。
>組織ぐるみで半ば慣行化したのは、軽微といえ事件があったことは事実であり、多少の情報操作は許される、といった権力の思い上がりだろう。県警内には、同情論のようなものもあるようだ。だが、そうした思い上がりと感覚のマヒが、時に警察の暴走やえん罪を生む背景となったことを忘れてはならない。
過去にさかのぼれば「甲山事件」、そして1997年の神戸少年事件という冤罪。
少年Aの奇行癖や残忍な性格、ホラー趣味などすべて嘘であったことを証明したのは神戸新聞であった。
今回の県警の処理のしかたを見ると、泥棒が泥棒を裁く(身内が身内の悪事を裁く)という類であり、根本的な解決を図るというよりも、この事件のもっとおく深くにある「闇」を隠蔽するものでしかない。