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<小6同級生殺害>二男刺された事件と「状況そっくり」
11歳の女児の心を突き動かしたものは一体何だったのか。同級生の女児(12)をカッターナイフで切り付け、死亡させた長崎県佐世保市の小6女児殺害事件は、その陰惨な行為と周囲に見せていた加害者の“素顔”との落差が社会を揺るがせた。呪術や残虐映画への執着、子供世界に広がるネット文化が、更に事件の様相を複雑にする。過去の少年による凶行から、戦慄(せんりつ)の事件を解く手がかりを探した。
「二男が刺された事件と状況がそっくりだ」。1日夕、仕事先から帰宅した母親(45)は、佐世保事件を報じるテレビのニュースに息をのんだ。
福岡県小郡市の農村地帯で3年前に起きた小6男児=当時=による同級生殺人未遂事件。佐世保事件とあまりにも類似点が多い。2人は小6の11歳で、同じバスケットボールクラブに所属。周囲の見方は「仲良し」で加害者は「普通の子」。凶器を事前に準備する計画性もあった。
何より驚いた共通点は手口が残酷、執ようで、加害者の普段の顔と行為がうまく結びつかないことだった。「また起きてはいけない事件が……」。父親(49)も二男が刺された事件と重ね合わせ、声を落とした。
事件があったのは01年6月9日。土曜日だった。キャッチボールをするために、2人は市内の城山公園へ行った。午後1時20分ごろ、男児は突然二男に馬乗りになり、包丁でメッタ刺しにした。背中など13カ所を刺され、傷のうち二つが肺にまで達する全治1カ月の重傷。男児は久留米児童相談所から、家裁ではなく児童福祉施設に送られた。11歳であることや、被害者が死亡しなかったことを考慮したとみられ、少年審判は開かれなかった。
男児は補導された当時「いじめられていた」と供述したが、その後の警察や市教委の調べでは、いじめの事実は何一つ確認されなかった。両親は「本当のことを知りたい」と思い、何度か男児の状況などを尋ねたが、児童相談所は「守秘義務がある」の一点張り。今でも、地域住民の中には「いじめが原因」と思い込んでいる人も多い。
事件から3年。中学3年になった二男は、傷跡を隠さずプールに入れるまでに回復した。だが、いまだに事件については触れたがらない。佐世保事件については「僕は(事件現場が)学校の外だったからなあ」とだけ話したという。
加害者の家族は事件後に引っ越して、行方は分からない。母親はうわさで、加害者が施設を出たことを知ったが、その言葉には不満と不安が入り混じる。「あの時きちんと動機を調べていれば、佐世保の事件につながる『何か』が分かったかもしれない。なのに、加害者の更生ばかり優先された。反省しているのか、命の大切さを理解したのか。何も分からないまま同じ社会に生きているのが怖い」
犯罪被害者問題に詳しい諸澤英道・常磐大大学院教授は「加害者のウソで被害者が二重に傷つくケースは多い。同じような少年事件を防ぐためにも、被害者や社会に、情報を公開する仕組みを作るべきだ」と指摘する。
警察庁によると、最近10年間に起きた小学生による殺人・殺人未遂事件は6件。佐世保事件を機に警察庁がまとめた資料では、小郡の事件だけは動機が書かれていない。(毎日新聞)
[6月19日1時59分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040619-00000164-mai-soci