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ヤフーBB事件、IP電話記録140万件も流出
インターネット接続サービス「ヤフーBB」の加入者情報流出事件で、「ソフトバンクBB」(本社・東京)から現金を脅し取ろうとした恐喝グループの関係先から、同社が運営するIP電話サービス「BBフォン」利用者の通話情報が記録された内部資料が見つかり、警視庁捜査1課が押収していたことが17日、分かった。
グループメンバーの供述などから、流出した通話記録は約140万件分に上るとみられる。同社のサービスを巡って、利用者の氏名や住所だけでなく、プライバシーにかかわる通話記録までが流出していたことで、情報管理の甘さが厳しく問われそうだ。
捜査1課が押収したのは、IP電話最大手「BBフォン」利用者の通話記録が記された用紙の一部。今年2月、ヤフーBBの加入者情報を使ってソフトバンクBBから現金を脅し取ろうとした右翼団体幹部森洋被告(67)(恐喝未遂罪で公判中)の都内の自宅を捜索した際、発見した。
A3判の用紙には、BBフォン利用者の電話番号、相手先の電話番号、通話開始時刻、通話時間、通話ごとの料金など、プライバシーにかかわる情報が記録されていた。用紙には通し番号が付けられており、捜査1課が分析した結果、流出した通話記録は140万件分だったと推計した。
これまでの捜査1課の調べで、ヤフーBBの加入者情報は、森被告の娘婿、森琢哉容疑者(35)(恐喝未遂容疑で逮捕)の知人の冨安泰生容疑者(24)(同)が、都内のインターネットカフェからソフトバンクBBのデータベースに侵入して抜き取っていた。
このため、捜査1課が通話記録の入手ルートについても追及したところ、冨安容疑者が「ヤフーBBの加入者情報とともに、140万件分の通話記録も抜き取った」と認めたという。捜査1課では、恐喝グループがパソコンに保存した通話記録のデータの一部を用紙に印刷したと見ている。
ソフトバンクBBは、BBフォン加入希望者らに対し、一定期間無料で利用できるサービスを提供している。流出した通話記録は、この無料サービスの利用者の一部のものとみられるが、現在のところ、森被告らの恐喝グループが悪用した形跡はない。
総務省では、通話記録を「プライバシー性の高い情報」と位置づけており、情報が流出した場合、電気通信事業法で同省への報告が義務づけられている。ソフトバンクBBは近く、通話記録流出の事実関係を総務省に報告する。
BBフォンは、先月末現在の加入者数は約395万2000人。
◆IP電話=インターネットの常時接続回線を利用した電話サービス。通話先との距離に関係なく、全国一律料金で通話でき、IP電話同士なら条件次第で無料となる。総務省は2002年11月から、「050」で始まる11ケタの専用番号の割り当てを始めた。現在、ソフトバンクBBやKDDIなど27社に、計約1600万の番号が割り当てられている。(読売新聞)
[6月18日3時7分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040618-00000001-yom-soci