現在地 HOME > 掲示板
> 日本の事件13 > 422.html
★阿修羅♪
|
現在地 HOME > 掲示板
> 日本の事件13 > 422.html
★阿修羅♪
|
|
| Tweet |
(回答先: 怜美さんの手握り止血＝児童には「来るな！」：ズボンすそに大量の血、担任が凶器取る 投稿者 エンセン 日時 2004 年 6 月 08 日 23:35:23)
June 05, 2004
佐世保女児死亡事件：日本の「わかった・ジャーナリズム」
マスコミは、１日、長崎県佐世保市内の小学校で、小学校６年生（１２歳）の生徒が、同級生（１１歳）にカッターナイフで切られて死亡したという事件を大々的に報道している。
この事件の報道については、なんぞねっとの「マスコミ疑問符」のほか、ブログ「法と常識の狭間で考えよう」でも取り上げられているので（該当記事）、私が改めて一から繰り返す必要はなかろう。ただ、それぞれ次の指摘は重要だ。
『まず、今回の報道を見て大変に気になったのは、事件発生直後から、少年の供述であるとして、「殺すつもりだった」という言葉が伝えられるとともに、事件が計画的犯行であったという報道がなされているという点である。
これらは、警察からリーク（意図的に漏らすこと）された情報であると考えられるが、記者たちは誰一人として、本当にその少年がそのような供述をしているかどうか確認することができない未確認情報であるはずである。・・・
・・・この年代では、そもそも「人を殺す」とか「人が死ぬ」ということの意味が十分に分かっていないことが多く、「殺す」という表現を用いたとしても、それは我々大人たちがイメージする「殺す」という概念とは一致していない可能性が極めて高い。そのような少年に、「最初から殺すつもりだったかどうか」と問いかけても意味はないと考えられる。・・・
次に、この事件の発生で、何が変わるかである。
実は、2003年７月に長崎市内で発生した事件の際に、14歳未満の触法少年の事件については、すぐに警察から児童相談所に送致しなければならないために、警察が捜査（調査）をほとんど行えないという不満が警察関係者が述べられていた。
それを踏まえて、昨年（2003年）12月18日に、犯罪対策閣僚会議が発表した「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」において、この点について、「触法少年事案の事実解明を徹底し適切な処遇に結びつけるため、触法少年の審判の前提として必要な警察による事実関係の調査の権限及び手続を明確化するための法整備について検討する。」ということが指摘されている・・・。今回の事件が発生したことで、この動きが一層早まることが予想される。これが今回の事件によって変わると予想される点である』（「法と常識の狭間で考えよう」）
『またもマスコミは１４歳未満の少年は刑事罰に問えないということばかり強調されていた。長崎の事件からやがて１年。マスコミの報道姿勢には相変わらず進歩はない』（「マスコミ疑問符」）
（補足：１４歳未満の子供の行為は、刑法４１条の規定により、刑事責任を問われない。）
要するに、警察＝マスコミ（両者は実質的に一体とみなせる）が〈１４歳未満は刑事罰に問えない〉と煽って、法改正を狙っているのではないかということである。
それにしても、マスコミ報道の貧困さはどうしたものか。相変わらず、情報源のあいまいな捜査情報を「わかった」「わかった」と垂れ流している。長崎県警や佐世保署の、あるいは取材記者の一体誰が、どのようにして「わかった」のか。そういう使い古された手法が、いつまでも読者・視聴者に通用するとでも思っているのか。
情報源の問題は、犯罪報道に限らない。米ニューヨーク・タイムズは、イラク人亡命者を情報源とする大量破壊兵器などの記事における同紙の欺瞞について、同紙の「一般市民の編集者」（オンブズマン）は『新聞は、確認のない情報源がなぜ真実を語っていると信じているのかを読者に納得させる義務がある』と指摘したが、日本のマスコミ関係者には、そもそもそういう問題意識が全くないようだ。
以下、佐世保事件における日本の「わかった・ジャーナリズム」の具体例を列挙する。（５日まで。「○○」は実名。太字は引用者による。）
【朝日新聞】
（２日）
・ホームページへの書き込みでトラブルか 佐世保女児死亡
『・・・２日、県警に補導された女児が調べに対し「ホームページ（ＨＰ）に面白くないことを書き込まれたので、（教室から現場の学習ルームへ）連れ出した。殺すつもりだった」などと話していることが分かった。県警はＨＰをまだ特定しておらず、確認を急いでいる』
（３日）
・「後ろから目隠し」と女児が事件直後に話す 小６死亡
『・・・補導された女児が県警に対し、切りつける前に「いすに座らせ、手で目隠しをした」と話していたことが２日、わかった。・・・
女児は「最初から殺すつもりだった」と話しているといい、県警は女児には殺意があったとみている。ただ、事情を聴いたのは事件直後であることから、県警はさらに時間をかけて調査する必要があるとしている』
・補導の女児「４日前に方法考えた」 佐世保の小６死亡
『補導された同級生の女児（１１）が県警に「事件の４日前、どうやって殺そうか、いくつか方法を考えた」と話していたことが分かった。・・・
県警によると、女児は「筆箱の中にいつもカッターを入れていた」と話している。県警は使われたのはこのカッターだったと見ている』
【読売新聞】
（２日）
・ネット書き込み引き金？
『・・・県警佐世保署に補導された同級生の女児（１１）が動機について、「インターネット上で、自分のことについて○○さんが書き込んだ内容が面白くなかった。いすに座らせて切った。殺すつもりだった」と供述していることが、２日わかった』
（３日）
・「容姿の話 嫌で殺意」 加害女児 カッター自宅から
『・・・県警佐世保署に補導された同級生の女児（１１）が「事件の数日前、インターネット上で、容姿を傷つけられるような書き込みが複数回あった」などと供述していることが２日、わかった。「それが嫌だったので、殺そうと思った」とも話しており、同署は、この書き込みが実際に容姿を傷つける内容だったかどうか、女児の供述の裏付けを急いでいる。
また、カッターナイフは、女児が自宅から持ってきたものだったこともわかり、計画性についても調べている』
・加害女児が供述「背後から手で目隠し、切りつけた」
『・・・佐世保署に補導された同級生の女児（１１）は調べに対し、事件の数日前から「どうしたら殺せるかを考えていた」と供述していることが３日、わかった』
（４日）
・「いい子ぶってる」再度書き込まれ殺害決意…女児供述
『・・・○○さんが事件の直前に、インターネット上のホームページ（ＨＰ）掲示板に「いい子ぶっている」などと、家裁送致された女児（１１）について書いていたことが、佐世保署の調べで４日、わかった』
【毎日新聞】
（３日）
・＜小６同級生殺害＞「４日前に殺すつもりだった」と供述
『・・・県警の調べに対し、補導された同級生の女児（１１）が「（事件の）４日前に殺すつもりだった」と供述していることが分かった。この時断念した理由は「（カッターナイフを使う授業の）工作の時間がなかった」と説明している。このため県警は、事件の４日前に既に殺意を持っていたとみて、動機などについて更に詳しく裏付け捜査を進めている』
・＜小６同級生殺害＞事件前夜のＴＶドラマで実行決意
『・・・家裁送致された同級生の女児（１１）が、県警の調べに「テレビのドラマを見て（殺害を）やろうと思った」と供述していることが分かった。』
（５日）
・＜小６同級生殺害＞「バトル・ロワイアル」に酷似
『長崎県佐世保市の小６同級生殺害事件で、家裁送致された女児（１１）が熱中していた「バトル・ロワイアル」に、事件と酷似した殺害場面が描かれていることが分かった。県警の調べに女児は「バトル・ロワイアルはよく読んでいた」と話しており、県警幹部は「事件への影響はあっただろう」と話している』
・＜小６同級生殺害＞女児が動機供述「この世からいなくなれ」
『・・・家裁送致された女児（１１）が、死亡した○○さん（１２）にホームページ（ＨＰ）に「ぶりっこ」と書き込まれたことなどに腹を立てた当時の気持ちについて「この世からいなくなれと思った」と県警に供述していることが分かった。また、女児が○○さんを教室から連れ出した際「ちょっといい？」と話しかけていたことも判明した』
【長崎新聞】
（３日）
・３日前に“犯行”決意 加害女児、家裁に送致
『これまでの県警の調べで、加害女児のホームページ（ＨＰ）への書き込みをめぐるトラブルが、事件の引き金になった可能性が高いことが分かった』
（５日）
・HPの書き込みで殺意 加害女児が話す
『・・・補導された女児（１１）が県警の調べに対し、怜美さんのホームページ（ＨＰ）に「いい子ぶっている」などと書き込まれたことなどに腹を立て、殺害を決意したと話していたことが四日、分かった』
最後に、佐世保事件で「元気な女性が多くなってきたということですかな」と言った井上喜一防災担当相について。（該当記事−アサヒ・コム）
彼は４月１６日の記者会見では、イラクで人質になった日本人被害者の家族について、「家族はまず『迷惑をかけて申し訳なかった』と言うべきで、自衛隊撤退が先に来るのはどうか」と発言していた（「辺境通信」記事）。
http://henkyonews.cocolog-nifty.com/articles/2004/06/post.html
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。