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[標題]「マイクの音で暴行容疑」のイヤ〜な時代
[見出し] 米大使館前で平和を訴えていた 市民宅を警察が家宅捜査
[リード] 「集会, 結社及び言論, 出版その他一切の表現の自由はこれを保障する」. この憲法21条の条文などもう反故同然だとばかりに最近, 自衛隊イラク派遣反対のビラを配って逮捕, 「日の丸・君が代」強制問題の本誌記事を卒業式で配った元教諭に家宅捜索, とイヤ〜なことが続いている. さらに今回, マイクで平和を訴えていたら自宅と会社を家宅捜索された「事件」が明らかになった.
[写真] 街頭で平和を訴える Kさん
[写真] 米国大使館前へは現在, 関係者しか渡れない
BKさんが自宅と勤務先の家宅捜索を受けたのは今年2月のことだ. 理由はハンドマイクで5回怒鳴ったことが暴行に当たり, 被害届けも出ているからだった.
Kさんによると, 本人もすっかり忘れていた「事件」が起きたのは昨年 9月22日. ユーゴスラビア人の夫, BSさんらと, Kさんは東京赤坂の米国大使館前でアメリカの外交政策を批判していた. ひとりの白人男性が近づいてきて言い争いになった.
「『バカなことを』というように笑いながら去っていったので今度はハンドマイクを使って首長尾w繰り返しました」(Kさん0
これが後に暴行罪とされた. 米国大使館前には警察官が多く, このときも1人が隣にほか何人もが近くにいたが, 止めるわけでも間に入るわけでもなかった.
それなのに12月8日になって勤務先の会社へ私服警察官が2人現れ, 出頭要請をしていったのだ.
Kさん側の岩井信弁護士はこう批判する.
> 警視庁赤坂署は最高裁の判例もあると言います. 確かに1954年の最高裁判決に, 体の近くで太鼓を連打し暴行罪となったものがあります. しかしこれは, 『頭脳の感覚鈍り意識朦朧たる気分を与え又は脳貧血を起こさしめ息詰まる如き程度に達せしめた』からで, 今回とは全く違います
犯罪被害者問題に詳しい杉浦ひとみ弁護士も今回の警察の対応は異例だと指摘する.
> 通常, 暴行事件はほとんど警察に取り上げてもらえません. 殴る蹴るされた傷害事件でも, 被害者が回復していればなかなか取り上げてくれない. 被害届けを受理し, 被害者の話を聞いて終わりです. 今回はその点から, 捜査の平等性の問題がまずあります. また, 周囲に警察官がいながら現行犯で逮捕せずその場で事情を聞くこともなかった. つまり, 犯罪性はないと現場の警察官は判断したのではないでしょうか
Kさんは結局, 12月12日に任意の事情聴取に応じた. しかし協力したにもかかわらず, 今年2月16日夜, 令状を持った赤坂署の警察官4人が自宅に来て, 家宅捜索をしていった. 当日使ったハンドマイクを捜しにきたとの理由だが, 岩井弁護士は違う理由ではと推測する.
> 借り物の古いハンドマイクはそこにはなく, 新しいものならあった. それには見向きもせず, 下着の入っているタンスからトイレの棚まであらゆるところを触り, 写真だけ撮って帰っていった. 通常は『そんなものまで』というくらい, 関係なさそうなものまで持っていってしまうにもかかわらず, です. 嫌がらせと言っていい
さらに翌17日には, アルバイト先の職場へも家宅捜索に来た.
しかもこれで終わったわけではなく, 5月 6日にも 2度目の任意の事情聴取があったばかりだ. 岩井弁護士は,
> もう半年以上捜査が続いていることになります. 逮捕したら最長23日で起訴するか釈放するか判断しなければならない. 時効となる 3年の間は逮捕せず, ずるずると捜査を続ける形を取るなら不当です
と指摘する. 杉浦弁護士も,
> ときどきチェックするぞ, という威嚇と考えることができます. 犯罪性がなく, 類似のケースでは警察は動かないことを考えると, 違法性の高い捜査だと言えます. 政治的発言の制限という意図があったと見られてもしかたのないものです
と語る.
■ "規制"が当然の時代でいいのか
実は,「今回の違法性の高い捜査」の前から, Kさんらは警察に目をつけられ, 抗議活動もさまざまな制限を受けていた.
> 以前は大使館の門の前の歩道で抗議が出来ました. イラク戦争の話が具体的になり始めた 2002年末に, 少し離れた歩道に移動させられました. 今年 2月からは, 200メートル離れた JTビルの前以外では抗議活動はできない, と警察に言われ, 移動させられました.
と, Kさんは言う.
Kさんとともに抗議している UJさんも,
> 歩道なのだから, と大使館へと続く道を通ろうとしたら, 10人ほどの警察官に手足を持たれ, 離れた場所まで運ばれました
という経験を持つ. このことについて, 杉浦弁護士は
> こちらのほうが暴行罪に当たるのではないでしょうか. また, 表現の自由の権利も侵害しています
とみている.
国内51の平和団体の連合体であるワールドピースナウ実行委員の高田健さんは, 最近, 警察の規制が厳しくなってきたと言う.
> イラクの人質事件の対応を首相官邸前で抗議した時も, 一日一日規制が厳しくなりました. しかも 4〜5年前と違い, 法的根拠が示されない. 裁判を起こして不当さを争おう, と話し合っています
Kさんと共に抗議活動をしているイタリア人, FMさんはこう求める.
> パレスチナイラク南米などでアメリカがやってきた事実をアメリカ大使館の前で訴えたいのです. 大使館員に向けた英語のスピーチもしたい.
表現の自由について高田さんは危機感を示す.
> 今回の件や派兵反対のビラを配って逮捕された立川の件を放っておくと, 若い人にとって規制されたこの状態が当たり前になってしまう. そういう大事な問題なのです
「事件」の舞台となった米国大使館の報道官は
> 平和的な抗議活動は民主主義の権利の一つ. 日本も民主国家なので, デモがあるのは当然と思う. 職員が大使館に入れないのは困るが, 大使館の業務に支障がない限り全然問題ない
とコメントしている. この「事件」について, 赤坂署にコメントを求めたが,
> 捜査中の事案についてはお答えできない
とだけ話している.
国会では憲法改正論議が盛んだが, この国のあちこちで, 勝手に改正したかのような事態が進行中なのである.
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本誌・山越峰一郎【『サンデー毎日』vol.83(No.32) 2004/06/13号 p.128-129】
[関連URL]
神奈川新聞連載 - 憲法ってなに? 第2部 "戦時"に揺らぐ表現の自由 (違憲訴訟東京の会HP 資料集)
http://comcom.jca.apc.org/iken_tokyo/siryou/f_siryou.html
市民への警察による嫌がらせ
http://associationists.fc2web.com/BRKIC0003.html
田中稔 『社会新報』5月26日号 イラク戦争に反対する市民へ
警察官が「嫌がらせ」ともとれる捜査をするケースが続発している
http://www.creative.co.jp/top/main2099.html
2003年
http://mypage.naver.co.jp/antiwar/against320/
http://mypage.naver.co.jp/antiwar/against45/
http://mypage.naver.co.jp/antiwar/against413/
http://mypage.naver.co.jp/antiwar/against419/
http://csx.jp/~antiwar/
http://dop.is-a-geek.net/
http://asc.shacknet.nu/
http://mypage.naver.co.jp/antiwar/graffiti417/
http://park19.wakwak.com/~otto/raku/
2004年
http://www4.ocn.ne.jp/%7Etentmura/index.htm
http://homepage2.nifty.com/osawa-yutaka/
救援連絡センター
http://kyuen.infoseek.livedoor.com/information/
国民救援会 http://www.kyuuenkai.gr.jp/
http://bbs12.otd.co.jp/yuji_story/bbs_tree