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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040521-00000002-mai-l09
◇被疑者自殺、大きな痛手に
宇都宮市中心部のマンションで、指定暴力団組員、畠山武人容疑者(41)が発砲して立てこもり、女性と自殺した事件は、解決までに約44時間も要する長期戦となった。事件は周辺住民にも多大な負担を強いて、最後は強行突入で幕を閉じた県内では異例ともいえる展開となった。3日間にわたり、最終日は雨に打たれながら現場に立って感じたことを振り返った。【仙石恭】
■忌まわしい記憶
「宇都宮市のマンション『双葉ハイム』で立てこもり事件が発生」。18日朝、県庁で支局からの第一報を聞いた瞬間、約4年前に起きた事件が脳裏によみがえった。元暴力団組長、後藤良次被告(45)=死刑判決を受けて控訴=らが、同マンションで知人男性ら4人を監禁し、飲食店店員(当時24歳)を急性薬物中毒死させたうえ、ほかの3人の胸をハサミで刺し、灯油をまいて火を放つという凶悪事件が発生した。同じマンションでの犯罪に、「なぜまたここなのか」と思わずにいられなかった。
午前10時半ごろ現場に到着すると、県警の広報担当者から「容疑者はライフルを所持しているので、指定場所から動かないように」と説明を受ける。「日が暮れるまでには解決してほしい」。甘い期待とは裏腹に、容疑者がいつ投降するのか、県警がいつ突入するのか予想が出来ず、ろくに眠る時間も取れないまま、疲労ばかりが蓄積されていった。
■暴力団関係者
現場にいて一番疑問に感じたことは、県警が畠山容疑者の説得役として多くの暴力団組員とみられる関係者を自由に現場に出入りさせていたことだ。現場周辺は通行人が立ち入り禁止となり、報道陣の取材エリアも規制されていたが、県警は一部関係者だけは報道陣より先の地域まで自由に出入りさせていた。
このため、多いときには現場に一時、数十人の関係者が出入りすることもあった。一般市民は通行が完全に遮断されている場所を、事件解決のためにはやむを得ないとはいえ、頻繁に出入りさせていたのは、奇異に映った。
■突入
県警は20日早朝、最終説得に応じない場合、強行突入することを決断した。現場はにわかにあわただしくなった。報道陣の多くが短い睡眠時間しかとっていないようだが、自身も含め、このときばかりはと最後の力を振り絞っている様子だった。
県警にとって、結果的に2人を自殺させてしまったことは大きな痛手には違いない。しかし、突入のタイミングは説得の状況にも左右されるうえ、ライフルやマシンガン、さらには爆発物などを所有しているという情報もあり、簡単に判断できなかったことは理解出来る。
ただ、畠山容疑者らの犯行にいたる経緯や、動機などについては闇の中になってしまった。「自殺してほしくなかった、裁判で真相を明らかにしてほしかった」。異例の事件だっただけに強く感じた。(毎日新聞)
[5月21日19時4分更新]