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マスコミは「茶の間で吊るし上げ場面を楽しもう」という視聴者の期待に応えるための、数分の画像が欲しかっただけだろう。
マスコミ 斉藤 学【本音のコラム】
先週の日曜日、イラクで人質になった三人の件に巻き込まれた。帰国した彼らをマスコミの悪意から守りたい、ついては協力してくれと頼まれたときは、なぜそんなことになってしまうのかと驚いた。このようなことがあれば家族は喜び、心配していた国民たちは安堵し、政府の尽力に拍手ということになるはずなのに、「自己責任をどう考えるか」と犠牲者たちに問いただす人々から逃れることをまず考えなければならないとは。
私が依頼されたのは三人を診察した上で、ドバイの病院でのPTSDの診断が妥当であると保証して欲しいということだった。診察はするが、診断の方は私の勝手にさせてもらうことにした。羽田空港のVIPルームで会った三人は精神的にどうこうと言う前に身体的問題を抱えていた。ひどい頻脈、食欲不振と下痢による栄養障害、不眠による焦燥状態などである。こんな状態でフラッシュの嵐を浴び、ややこしい質問に応じていたら、循環不全でも起こしかねない。とりあえず急性ストレス障害と診断して、当夜の記者会見は無理と判断させて頂いた。
三人の中にはムジャヒディン以上にマスコミが怖いと言う人もいた。そのマスコミは「茶の間で吊るし上げ場面を楽しもう」という視聴者の期待に応えるための、数分の画像が欲しかっただけだろう。私たちは恐ろしい世界に住んでいる。(精神科医)