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韓国社会の病巣 「21人殺害」容疑者に“ファン”も
富裕層への敵対心→英雄視→「代理満足」
【ソウル=久保田るり子】裕福な老人と女性マッサージ師を狙って韓国犯罪史上最悪の十七件二十一人を殺害した「連続殺人事件」の波紋が広がっている。逮捕されたユ・ヨンチョル容疑者(三四)の反社会的な動機や犯行の猟奇性、逮捕後の言動に加え、一部にユ容疑者を英雄視するファンが現れて世間を驚かせた。この事件は韓国社会の病巣を象徴している面もあって、類似事件を怖がる女性たちには防犯グッズが売れている。
ユ・ヨンチョル容疑者は貧しい生い立ちで、中学一年時に父が他界、高校時代に窃盗事件で少年院に収監されてから窃盗や性暴力で十四回の逮捕歴、十一年の刑務所生活−という特異な経歴の持ち主だ。
供述によると、マッサージ師の前妻から二年前、服役中に一方的に離婚されたのが犯行の主な原因。その後つきあった女性にも前科と離婚を理由に結婚を断られ、「世の中を悲観して、富裕層や女性に敵対心を抱くようになった」(捜査当局)。
だが犯行は周到、残忍そのもの。金持ち老人を狙った犯行では強盗犯と思わせる偽装工作中にけがをしたため、血液からDNA鑑定されるのを恐れて放火した。
女性マッサージ師の場合は刑務所で覚えたパソコン技術で警察官の身分証明書を偽造、家に連れ込み鈍器で撲殺、浴室でノコギリを使って遺体をバラバラに切断。遺体を黒いビニールで包む際にも自分の指紋が残るのを恐れて遺体を埋めた後にはビニールを回収した。
十三人の女性被害者のうち一人だけ性交渉を持ったが「女性の身元が割れるのを恐れ指の指紋をナイフで切り取った」(警察関係者)。
逮捕後、収監中に病気の発作を起こしたふりをして一度、脱走した。翌日には再逮捕されたが「もっと殺している。だが、いまはしゃべらない」と言ってみたり、移送の車が気に入らないとの態度に出たり、独房はいやだとハンガーストライキをしたりと話題に事欠かず、ユ容疑者の周辺はワイドショー的な騒動が起きている。
一時、インターネットにユ容疑者のファンのサイトが登場。「カッコいいユ・ヨンチョルさんのファンクラブをつくりたい」という文章が掲載された。結局、非難が殺到してサイトは一日で閉鎖されたが、韓国社会の雰囲気を象徴するできごとと注目された。
韓国の心理学者など専門家はユ容疑者の犯行の背景を分析し、その特徴を「自分の努力不足を棚に上げ、自分の不幸を金持ち社会のせいにしている」と指摘する。そのうえで「われわれの(韓国)社会に幅広く広がっているエセ・マルクス主義の影響を考えてみる必要がある」という。
また別の学者は「一番、問題なのは、こういう事件を通して社会や自分自身の境遇に不満を持っていた人間が“代理満足”を得るのではないかということ」と述べる。
大企業幹部が富を独占し分配が間違っているとする、進歩革新派の主張が「富裕層への敵対心」となり連続殺人鬼への「英雄視」の背景となっているというわけだ。
いずれにしても「個人的、社会的な疎外感」が大きく影を落とす事件で、真相がまだ明らかになっていないだけに、韓国では当面、連日の報道が続きそうだ。(産経新聞)
[8月2日3時27分更新]