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2004/04/12
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『週刊文春』の事前差し止め問題で、一躍脚光を浴びた「表現の自由」。
今回の高裁決定が確定したことで、「表現の自由」が守られた、と安心している向きが多いのだろうか。少なくともマスメディアでは、そういう論調が大勢をしめているように思う。
だが、「表現の自由」の大切さを本気で考えるなら、けっして安穏としていられない状況のはずだ。この1年あまりに起きた「政治的言論への弾圧」のうち、トピックと思われるものを3つ、挙げてみる。
1)去年4月、東京都杉並区の公園の公衆トイレに「反戦」落書きをした青年が、1カ月半も拘置されたうえ、起訴され、今年2月12日、懲役1年2カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。
2)昨年秋の総選挙直前に、社会保険庁職員が自宅近くのマンションで共産党の機関紙を配ったとして、今年3月、国家公務員法違反容疑で逮捕され、起訴。
3)今年1月17日、東京都立川市にある防衛庁官舎に「自衛官・ご家族の皆さんへ――自衛隊のイラク派兵反対! いっしょに考え、反対の声をあげよう!」などと書かれたビラを配った市民団体「立川自衛隊監視テント村」の3人が、2月27日、官舎敷地に無断で立ち入った住居侵入罪容疑で逮捕。現在も勾留中。アムネスティ・インターナショナルは、逮捕された3人を、日本初の「良心の囚人」に認定した。
この3つの他にも、反戦デモ・反戦パレード参加者の逮捕が、あちこちで起きていると聞く。「良心の囚人」を生んでしまうとは、さすがは、現行憲法を蹂躙し、立憲主義を破壊するクーデターを着々と進行中の自民・公明連立政権といったところか。
民主主義制度の根幹をなすのは、まさに「政治的言論」であって、「私人のプライバシーを暴く表現」などではない。政府によるこうしたあからさまな「政治的言論への弾圧」を放置していては、この国に「表現の自由」があるなどとは、とても言えまい。
そして、「政治的言論への弾圧」に対しては、主義主張・思想信条の違いを超えて、個人的な好悪にこだわらず、敢然と立ち向かう。それが当たり前になされてこそ民主主義の社会であり、また、それこそが民主主義を築き、守っていく道のはずだ。
日本社会の民主度、そして、私たちの度量、覚悟、知恵が、今まさに、問われているのではないだろうか。
参考サイト:
「落書有理反戦無罪 graffiti is not a crime!」
「国家公務員法違反」容疑での不当逮捕に厳しく抗議し、適切な対処を求める(日本共産党中央委員会書記局長 市田忠義)
自由法曹団の声明(2004年3月7日(日)「しんぶん赤旗」)
「立川自衛隊監視テント村」
AMNESTY キャンペーン・アップデート 2004.03.17 Vol.12 通巻123号
参考文献:
『週刊金曜日』2004.4.2号(vol.502)
『インパクション』140号
(仲晃生)
http://www.janjan.jp/government/0404/0404062842/1.php