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歩行者が自転車にはねられて死傷する事故の急増を受け、全国の警察本部は4月から、2人乗りや歩行者に危険を及ぼす行為など道路交通法に違反した運転者に対し、積極的な警告を始めた。
警告を無視して抵抗するなどの悪質なケースには逮捕も辞さない構えで、6日から始まった「春の全国交通安全運動」でも、自転車の安全対策を重点に掲げた。東京都内など多くの小学校ではこの日が入学式。街の通学路に新1年生らが行き交う時期だけに、警察官たちは乱暴な自転車走行に目を光らせる。
警察庁によると、自転車が歩行者をはねた事故は昨年、2243件で、一昨年から15・6%(302件)も増えた。このうち、歩行者の負傷者は306人増の2045人、死者も3人から6人になった。同庁などが所管する「交通事故総合分析センター」の分析では、昨年の死傷事故件数は10年前の約4倍にあたるという。
昨年1月には、茨城県つくば市の県道の歩道で、会社員の男性(55)が、前から来た高校3年の男子生徒(18)の自転車と衝突し、頭を強打して死亡。この事故では、男子生徒の前方不注意が原因とされた。また、同10月には、広島県因島市の県道を愛犬を連れて横断していた男性(63)が、サイクリング大会に出場していた男性(34)の自転車にはねられ、転倒後に死亡している。
自転車事故増加は人込みを猛スピードで走ったり、携帯電話を掛けながら運転したりするなど、マナー悪化が要因になっている。
自転車は、1978年の道交法改正により、標識で定めた場所での歩道走行が認められた。その場合でも、同法は「車道寄りを徐行」「歩行者の妨げになる場合は一時停止」と規定しているが、「指摘されて初めて知る運転者が多い」(警察幹部)のが実態だ。
このため、全国の警察本部では、まずは5月末までの2か月間、無灯火や2人乗り、信号無視、一時不停止といった違反を確認した際、運転者に警告書を渡すなど指導を強化する。警察庁は「警告に従わない悪質かつ危険な違反には逮捕もあり得る」としている。
自転車の違反による逮捕は珍しく、昨年は、川崎市で警告を無視して2人乗りのまま交差点に進入した男(20)が、荷台をつかんで制止しようとした警察官にどなり散らして振り切ったケースの1件だけだった。
◆自転車=道路交通法2条は「ペダルを使い、人の力で運転する2輪以上の車」と規定。2人乗りの場合、2万円以下の罰金または科料が科されるほか、携帯電話や、傘をさしながらの安全運転義務違反は、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金に。死亡事故を起こすと、刑法の重過失致死罪が適用されることもある。
(2004/4/6/14:32 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040406it06.htm