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虐待で脳死や重度障害負った子、この5年で129人
虐待で脳死状態になったり、重度の障害を負ったりした15歳以下の子供が、全国の小児科施設と救命救急センター計65か所で、最近5年間に129人いたことが、日本小児科学会の調査でわかった。
「虐待が疑わしい」というケース(一部軽症を含む)も204か所で1452例あった。虐待の判定は難しく、同学会は小児からの脳死臓器移植のための法改正について「虐待の有無をチェックする第三者機関が必要だ」と指摘している。
学会認定の小児科研修病院467か所と救命救急センター170か所にアンケート調査したところ、それぞれ223か所、51か所が回答を寄せた。
明らかに虐待で脳死状態や重度障害になったと見られる129人の子供のうち、8割以上は小児科の診察で虐待が発見されていた。半数以上が1歳以下の乳幼児で、頭を激しく揺さぶられて脳障害や脳内出血を起こす「揺さぶられっこ症候群」(SBS)が相当含まれている可能性があるという。
「虐待が疑わしい」症例の診療経験も、1施設平均5・5例で、30例以上が13か所、29―10例も18か所あった。
回答の中には刑事事件になった事例も含まれているとみられるが、親と分離するなどしてようやく虐待が判明したケースが16例あり、虐待の確定に60日以上かかったケースも計9例あった。
「院内に虐待児を発見するための組織や専門家がいるか」との問いには、半数以上が「いない」と回答。脳死状態になるような小児は救急現場に搬送されることが多いことから、同学会は「救命処置と虐待の診断を並行して行うのは困難」としている。
臓器移植法改正をめぐって、小児科学会は臓器提供の意思表示年齢を「中学生程度」に下げて、小児脳死移植を認める見解をまとめているが、虐待児を提供者から除くことなどが条件。具体的な児童虐待の実態把握のため、2次調査を進めている。
調査をまとめた谷沢隆邦・兵庫医大教授は「予想以上に虐待数が多く、虐待の有無を見極めるのも難しいことがわかった。小児脳死移植を進める上では、虐待された子供を臓器提供者にしないシステムが必要だ」と話している。
(読売新聞)[4月5日16時21分更新]