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(回答先: Re: 回転扉の事故ほかに32件 六本木ヒルズ、開業以来 [共同通信]【6日前にも男児が首を挟まれ救急搬送】 投稿者 はまち 日時 2004 年 3 月 28 日 01:55:04)
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200403/28-2.html
来月、小学1年生になるはずだった溝川涼ちゃん(6)は、春休みを利用して大阪・吹田から母親に連れられて上京し、単身赴任中の父親のもとを訪れていた。26日は東京の新名所、六本木ヒルズに遊びに来て、大型の自動回転ドアを見つけると、母親の手を振りほどいて駆け出した。父親とも久々に会い、それでなくても心を弾ませていた涼ちゃんが、珍しいものを見つけてはしゃいでいた様子が目に浮かぶ。
事故は、その直後に起きた。回転するドアとドア枠に頭部をはさまれ、圧迫されたための突然の死。緊急時にドアの動きを止めるセンサーが作動するのが遅かったか、作動後も惰性などで停止までに時間を要したのが原因とみられ、警視庁は業務上過失致死容疑で捜査を始めた。浮き立つような気分を一瞬にして暗転させた痛ましい事故だ。悲しみは限りもない。
事故を起こした自動回転ドアは円筒形の枠の中を扉が自動的に回転し、14人が入ることができる2カ所のスペースを移動させる仕組みだ。スライド型ドアと違って密閉性が高く、ビル内の温度調節に好都合な上、豪華さを演出するデザインが買われてか、国内では15年ほど前から普及している。同じタイプは全国に15台だが、大小さまざまな自動回転ドアは約500カ所に設置されているという。
回転ドアは慣れている人には難なく通過できても、縄跳びのようにタイミングを合わせるちょっとしたコツが要るから、手動式でも苦手とする人が少なくない。実際、手前で立ち止まったり、ためらっている人をしばしば見かけるのに、他の自動ドアと同様に安全基準などがなかったのは関係当局の手抜かりだった。防災関係者はもちろん新聞などのメディアも、危険性を周知させられなかったことが残念でならない。
しかも、六本木ヒルズの自動回転ドアでは昨年4月の開業以来、幼児が負傷する事故が7度も起きていた。身長が低い幼児はセンサーの死角に入る場合があること、幼児が駆け込むケースは珍しくないことなども承知していたはずなのに、保安要員を立たせることもなく、ハードル形にテープを張って注意を喚起していただけというのでは、十分な対策が講じられていたとは言いがたい。
一般のオフィスビルとは異なり、新名所として観光客を招致しており、多数の幼児が訪れることも十分に予測されていたのだから、ビル管理者の責任は余計に重い。救急車も出動していた以上、消防当局などにも警鐘を鳴らす機会はあったはずだ。
機能性やデザイン性が重視される都市の中で、健康で機敏な青壮年の尺度が常識として大手を振っている風潮を憂える。ビルや施設の設計、各種のツールばかりでなく、ライフスタイルまでが幼児やお年寄り、身体障害者などの弱者への思いやりや優しさを失ってきてはいないか。いたいけな涼ちゃんの犠牲を無にしないためにも、弱者の目線で身の回りの安全から見直してみよう。
(毎日新聞 03-28-01:13)