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緊急支援は軍事作戦 スマトラ沖地震津波 米軍大規模派遣の狙い【東京新聞】
http://www.asyura2.com/0403/jisin11/msg/990.html
投稿者 どさんこ 日時 2005 年 1 月 14 日 11:53:55:yhLXMcSQdrkJ2
 

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  http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050113/mng_____tokuho__000.shtml
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 スマトラ沖地震津波の被災者救援で、米軍が一万四千四百人の人員、多数の航空機、艦船を派遣し、これまでで最大級の緊急支援を展開している。イラクやアフガニスタン情勢への対応や、北朝鮮に対する抑止で手いっぱいのはずなのに、人道問題とはいえ、ここまで力を入れるのはなぜか。自衛隊への影響はあるのか。

■援助額では『しみったれ』

 「軍だから提供できる支援が必要とされる限り、米軍は留まる。われわれは米国民に代わって支援の手を差し伸べることを誇りに思っている」。緊急支援という軍事作戦に関し、米太平洋軍のファーゴ司令官は十日、ハワイの司令部での記者会見でこう語っている。

 被災国への援助額で「しみったれ」と批判された米国だが、米太平洋軍の緊急支援への動きは早かった。

 昨年十二月二十六日の地震津波の発生後、米太平洋軍は数時間以内に被害調査隊を各地へ送り、空母エイブラハム・リンカーンなど五隻の空母戦闘群と、グアム島から第一五海兵遠征隊を乗せた強襲揚陸艦ボナム・リチャードなど七隻の遠征打撃群を急派した。浮かぶ倉庫といわれ、浄水能力もある海兵隊の事前集積艦六隻も集め、沖縄から第三海兵遠征軍兵士と工兵約二百人を高速艇で派遣した。

 米軍の人員は艦上に約一万二千人、タイ・ウタパオ基地のタスクフォース司令部に約千四百人、スマトラ島アチェ州など現場に約千人。航空機は輸送ヘリ、C130輸送機やオライオン哨戒機など約九十機。病院船が途上にあり、さらに増派が予定されている。

 エイブラハム・リンカーンはアチェ州バンダアチェ沖、ボナム・リチャードは同州ムラボ沖に停泊、輸送ヘリが水、食料や医薬品などを艦船から被災地へ、病人や負傷者を艦内の医療施設に移送している。バンダアチェでは病院の発電機修理に必要な部品をエイブラハム・リンカーンで製作したり、スリランカでは市街地から津波の水を流し出す溝掘りなどもしている。

 この大規模部隊を指揮するのは沖縄の第三海兵遠征軍司令官のブラックマン中将。同遠征軍の准将三人がタイ、インドネシア、スリランカへ現地指揮官として派遣されている。司令部には日本やオーストラリアなど参加国代表が詰め、支援活動の調整が続けられる。

 「国連からの担当官もおり、各国の政府、非政府組織が参加して多国が努力している。米軍は調整と組織化に当たり、あらゆる輸送、補給の装備や人員を提供している」と太平洋軍の報道官は言う。ファーゴ司令官は各国軍の協力について、米国とタイが中心の多国間合同軍事演習コブラ・ゴールドなどで「人道支援の演習を繰り返してきたからできることだ」としている。

 これについて、元陸将の森野安弘氏は「米国は国連の枠組みを重視した貢献をアピールしているが、参加各国の部隊に対して指導力を発揮するのは、情報収集の能力に秀でている米軍しかない」と指摘する。

■中国に存在感誇示

 では、米軍の迅速で大規模な展開の意図は何か。

 軍事評論家の藤井治夫氏は「米軍再編計画の一環として、特に中国にプレゼンスを誇示する狙いがある。また、米国は“不安定な地域”の有事に対応する計画を進めており、今回の救援活動で米軍主導の共同作戦をシミュレートする意図もみえる」と分析する。テロやマラッカ海峡などのシーレーン防衛、天然ガス開発などを踏まえた見方だ。

 一方、軍事評論家の神浦元彰氏は「イラク戦争で世界、とくにイスラム圏の米国に対するイメージが悪化した。世界最大のイスラム教国であるインドネシアを中心に米軍が人道支援を行うことには、イスラム教徒の米国イメージを改善させたい思惑がある」と言う。

 米軍による大規模作戦の背景に、冷戦終結でソ連という“敵”を失った米軍が、一九九〇年代前半に「オペレーションズ・アザー・ザン・ウォー」(戦争以外の作戦)をドクトリンの一つとして採用したことがある。人道支援や災害救助、平和維持など民衆に受け入れられやすい形で他国に米軍を投入し、影響力を及ぼすことによって世界秩序の維持、自国の安全を図るという考え方だ。

 軍事評論家の稲垣治氏はこれについて「要は鉄砲を撃つのではなく、医薬品を贈り味方を増やすという発想。今回の支援活動も、目に見える貢献をすることによってポイントを稼ごうという明確な戦略的狙いを持ち動いている。米中枢同時テロの後、ブッシュ米政権は、軍事力を前面に押し出した先制攻撃論を振り回す一方、『戦争以外の作戦』という柔軟性を持つ戦略を使い分けている」と話す。

 前出の森野氏は「軍事力を戦争に使うのではなく、戦争以外の平和維持や緊急支援などを軍事作戦でやろうということ。それによって、大国が世界秩序の保全に当たるという幅広い考え方」とし「ようやく軍隊は世界の公共財で、命を救い平和を維持するものとの意識ができつつある」とも。

■米国の意向で規模最多に?

 そうした中、日本は国際緊急援助隊派遣法に基づいて、初めて陸海空の三自衛隊を同時に派遣した。派遣規模も昨年末からの累計で約千六百人で過去最多だ。

 稲垣氏は「自衛隊にできる支援は、線や面ではなくせいぜい点」として「それを線にし、面に広げる能力を持っているのは米軍。支援に入る各国は協同関係にあるが、実質的な統合役としては米軍の力に頼らざるを得ない」と言う。

 だが、藤井氏は「自衛隊の任務が変わるターニングポイントになる」とし「防衛政策の基本を定める防衛計画大綱が昨年末に改定され、自衛隊の海外活動を本来任務化する方向が打ち出された。今回の被災は、それを実行するのにタイムリーに発生。小泉首相は米国の意向をくみ最大規模の部隊を派遣したのは確かだ。視線の先に、災害救助以外の紛争などでも部隊を派遣できるようにする自衛隊法改正がある」と予想する。

 軍事評論家の江畑謙介氏は「今回の派遣は当然であり、海外活動の本来任務化も必要だ。人道支援活動の派遣でもめるようなら、世界の笑いものになる。治安状態の悪い地域では、兵器を装備していないと活動できない。自衛隊は世界の安定化のためにもっと関与していくべきだ」と後押ししながらも「米国の意向ではなく、日本国民がどう考えるかを重視してほしい」と注文を付けた。

 藤井氏は今回派遣について「資源輸送に重要なマラッカ海峡のシーレーン防衛で国益を守るとの意義がある」と認めつつ、自衛隊をめぐる議論について言う。

 「国内の準備・研究が進んでいない現状で、拙速な法制化が進められそうで心配だ。国民の大きな負担と犠牲を伴うもので、議論をもっと深める必要がある。小泉首相は世界の有事に存在感を示すアメリカ型の軍隊を目指しているのだろうが、一貫性のない場当たり的な政策で心もとない。準備不足では国論が二分してお手上げ状態になり、かえって国益に反する」

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