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http://www.yomiuri.co.jp/features/india/200501/in20050112_01.htm
【ナガパティナム(インド南東部)=平本秀樹】インド洋津波によるインド国内の被災地では、「被差別カースト」と呼ばれる最下層階級の住民が政府援助の手から取り残されていた。
6000人以上が犠牲になったナガパティナム。海岸線から約2キロ離れたカルバランガダイ地区の住民は被差別カーストに属する。住民は、漁に出ることは許されず、漁船から魚を運び出したり、魚を洗浄したりする下請け仕事をしている。
津波発生時、地区住民の40人以上が漁村で犠牲になった。川の逆流、浸水による塩害で畑は壊滅。家を壊された者もいる。
船を失った漁民には、政府が避難所を用意、1日3度の食事を支給している。だが、同じく収入の道を絶たれた同地区住民への援助について、地区長のガネサンさん(45)は「民間活動団体(NGO)が1度ビスケットを配ってくれただけ。政府の人間は1度もここに足を運ばない」と訴えた。
地区住民は津波の直後、漁村に駆け付けた。100ルピー(約240円)程度の日当で仕事をくれる漁民を助けるためだ。マスクや手袋も与えられないまま埋葬も行った。同地区のパパヤンさん(30)は「遺体の処理は我々の仕事だった」と証言する。各地で、遺体に触った被差別住民が、伝染病を恐れる漁民から近寄ることを拒まれた。
インド南東部ナガパティナムで、地元当局者に対し、低カーストの人も支援するよう陳情するカルバランガダイ地区の住民たち(右)=平本秀樹撮影
当局者は、「カーストによる差別やトラブルは一切ない」としている。だが、報道によると、ナガパティナムの避難所には、国連児童基金(ユニセフ)が飲料水タンクを設置したが、「水が汚染される」として、被差別カーストの住民は、飲むことを許されなかった。別の避難所の映画館では、漁民の女性が「安心して眠れない」と主張、夜は追い出された。ヒンドゥー教寺院では、コメや現金が支給されるとき、被差別住民は締め出されたという。
香港に拠点を置くNGO「アジア人権委員会」は10日、「辺地の村々は、カースト差別などで完全に無視されているとの報告があり、特に懸念している」との声明を発表した。
ある地元紙は、「マグニチュード9の地震でも、10万人以上を殺した津波でも壊せなかったものがある。それがカーストの間の壁だ」と記した。
カースト インドの社会的身分制度。ブラーミン(聖職者)、クシャトリア(王侯武士)、バイシャ(商人)、シュードラ(隷属民)の4つに大別され、この枠組みから外れた最下層の被差別カーストがある。職能別などに2000以上もの集団に細分化される。下位集団は服従を要求される。