現在地 HOME > 掲示板 > 地震・天文11 > 952.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
01/04 15:55 開発制限求める動きも 観光依存のタイ南部
スマトラ沖地震による津波で南部のマリンリゾートが壊滅的被害
を受けたタイ。観光収入を当て込んで無軌道なリゾート開発を進め
たことが、さんご礁などの環境破壊を招き、津波被害の拡大につな
がったとの指摘が出る中、開発制限に向けた動きも出始めている。
▽演出された自然
「リゾートホテルが雨後のたけのこのように現れ、海からの障壁
になっていたさんご礁やマングローブが破壊された」
タイ英字紙バンコク・ポストは、リゾート開発に伴い、波の勢い
を緩和する効果があるさんご礁などが破壊され、津波被害拡大の一
因になったと批判した。
かつてプーケット周辺は漁業やスズ生産を産業の柱にしてきたが
、スズの価格が一九八〇年代に下落したことをきっかけに大規模な
リゾート開発が進展。プーケットを中心に、今回死者の大半を占め
た北方のパンガー地域などにマリンリゾートが次々と広がっていっ
た。
「手つかずの砂浜」などの誘い文句で観光客の人気を集めてきた
が、実際には人間の手を加えて演出された「自然」だった。
▽大きい存在感
「(がれきの)撤去には一カ月、宿泊施設は三カ月で復旧する」
ソンタヤ観光相は津波が襲った直後の昨年十二月二十八日、期待
感も込めて早期復旧の見通しを示した。タイでは津波発生直後から
、不明者の捜索状況と並んで経済的影響の関心が高い。タイ経済全
体に占める南部リゾートの存在が大きいためだ。
政府観光庁によると、昨年上半期にプーケットなど南部の被災六
県を訪れた観光客は三百三十二万人。外国人が64%を占め、タイ
全体の外国人観光客の四割近くが南部リゾートを訪れていた。さら
に同相によると、津波被害によって二十万人の職が奪われる恐れが
出ている。
▽政策転換への道
地元紙によると、津波被害に遭ったリゾートホテルの多くが、森
林保護などを義務付けられた国立公園の一部に侵食する格好で建て
られていた。
開発業者と公園当局との間でこれまで何度か〓(始めダブルミニ
ュート)衝突〓(終わりダブルミニュート)はあったが、不動産登
記なども不備なまま、なし崩し的にリゾート開発が進められてきた
のが実態だ。観光業が主要産業に成長する中、「開発」を「環境」
よりも優先してきた構図が浮かび上がる。
「どうして危機を好機に変えないのか」
スウィット天然資源環境相は、今回の津波を契機にリゾート開発
に一定の制限を加え、環境保護を重視する政策への転換を表明。タ
クシン首相も二日、海浜の所有・使用権について、政府の関与を強
める方針を示している。(バンコク共同=堀越豊裕)
20050104 1555
[2005-01-04-15:55]