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「週刊プレイボーイ」1/18・25号で、「新春大災害対談/高嶋哲夫『M8』×石黒耀『震災列島』」が載っています。
昨年、大地震をテーマに物語を書いた小説家2人の対談です。
「プレイボーイ」の紹介文
浅間山噴火、紀伊半島沖地震、そして新潟県中越地震…、天変地異が相次いだ2004年。これらは来たるべき東京直下大地震、そして東海・東南海地震の前ぶれなのか? これらの地震が起こった時、首都圏、そして日本はどうなる? 昨年出版されて話題を呼んだ地震小説の著者、高嶋哲夫氏、石黒耀氏に、“その時”、日本が直面する現実を語ってもらった。
石黒氏は、『震災列島』で大きく浜岡原発を取り上げ、放射能漏れ事故を起こさせています。
対談の中で浜岡原発に触れる部分がありました。
■WBP(週刊プレイボーイ)
(略)どうしても気がかりなのが『震災列島』にも描かれた太平洋沿岸の原発施設の破壊です。
■石黒
(略)日本列島には新生代後半の緩い堆積層が厚く積もり、特に地震で揺れやすい場所が4ヶ所あるんです。(略)
まず東京、名古屋、大阪、そして、なんと静岡県の御前崎周辺なんです。よりによって、そこに中部電力の「浜岡原発」があるわけです。1〜5号機のうちで最も古い78年建造の1号機が、3年前に配管破断事故を起こして大騒ぎになりましたよね。東海・東南海・南海地震が襲来すると、この浜岡原発が損壊して大惨事が起きる危険性が極めて高いと私は心配しています。
(略)
■WBP(週刊プレイボーイ)
炉心冷却水は海から取り入れていますが、そうなると大津波との関係も心配ですね。
■石黒
これは電力会社も認めてますけど、津波の引き波時には取水口が露出して、取水できなくなります。その場合は原発施設内にプールされた緊急用冷却水に切り替えられますが、おそらくその時点ではポンプなどの電気系統が壊れて約に立たないでしょう。
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津波が来るときには浜岡原発では発電を止めているため、緊急用冷却水を注入するには非常用ディーゼル発電機が必要になります。M8クラスの地震に揺さぶられて、その発電機が起動しないことを石黒氏は予想しているわけです。
この非常用ディーゼル電源が動かなければ、ECCSも動かないという大変な事態に陥ります。この件については、後日解説を掲載する予定です。
中部電力「津波に対する安全性」のページ
http://www.chuden.co.jp/torikumi/atom/detail/jishin/jishin10_02.html
ところでこの対談の中で、『M8』を書いた高嶋氏が、首都圏直下型地震が発生した場合の東京都による被害予測をこう批判しています。
■高嶋
1997年の東京都作成のM7規模直下型地震の想定では、死者6717人。うちJR利用者の死者数は13人です。常識的に考えてもこんなものじゃすまない。しかも、こんな東京都のデータを参考にして、埼玉や千葉などが独自の被害予想をまとめるんだから呆れます。といっても、僕もこの数字を基にして『M8』を書いたのでかなり後悔してます。現在、直しつつあるのですが……。
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これを読むと、本人も常識に照らして考えられないという過少な被害予測を基にして小説を書いたワケで、なんだか冗談を聞いているような気がしてしまいますが、この意味は意外と大きいと思います。
高嶋氏は、本当ならもっと被害(特に死者数)を大きく描きたかったのに、それを極端に不自然な数字に変えさせたのは、「大した根拠もないのに危機を煽るな」という批判を恐れたのでしょう。
それこそ常識的に考えれば、人口、密集度、面積などが比較にならないほど違う東京と神戸の地震被害が同程度なんてあり得ない話なのに、まともなことを言えば批判にさらされしまう状況あるのでしょう。
いつ来るか分からない地震を恐れて経済の停滞を招くよりも、今更どうしようもないから「その時は黙って死んでください」。私たちの社会は、そう無言の圧力をかけているようです。
http://blog.livedoor.jp/stop_hamaoka/