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01/02 17:43 村が次々と一瞬で消滅 病院に横たわる多数の乳児
【ポートブレア（インド領アンダマン諸島）２日共同＝宇田川謙
】「村が次々と大津波にのみ込まれ消滅した」―。スマトラ沖地震
の津波で大被害を受けたインド領アンダマン、ニコバル両諸島では
八百人以上の死亡が確認され、少なくとも五千人が行方不明となっ
た。両諸島の被災者が空輸されている中心都市ポートブレアの病院
には、負傷した乳児が数多く横たわっていた。
病院には、骨折した住民ら三百人近くが入院している。被災者た
ちの証言によると、特に被害が大きかったニコバル諸島では多くの
村が一瞬のうちに次々と消え去った。
左手を骨折し、胸にも痛々しい傷が残る少年シブクマル君（１５
）は、ニコバル諸島にあるカールニコバル島の海岸から約三十メー
トル離れた自宅でちょうど目覚めたころ、津波に襲われた。遠くで
強い風の吹くような音が聞こえ、高さ約六メートルはある巨大な波
に押し流された。家の屋根などにぶつかって負傷。一緒にいた両親
の行方は分からない。
シブクマル君が入院する政府系病院には、流されて体中に傷を負
ったり、下痢やマラリアを発症したりした乳児十数人も入院してい
る。
高熱と下痢に苦しむ一歳六カ月の男児をあやしていた母親マハラ
クスミさん（２５）は、アンダマン諸島南端の小アンダマン島で地
震を感じた。誰かが「水が襲ってくる」と叫ぶ声を聞き、片手で男
児を抱き、ほかの子供二人の手をつないで逃げた。
カールニコバル島のカマルモーセス君（１２）は海岸から約一キ
ロ離れた自宅から逃げる途中、高さ約十メートルの津波に襲われた
。津波が引くと同時に地面にたたきつけられ、左足を骨折した。恐
怖を忘れられないのか不安そうにベッドに身を横たえていた。
両諸島で家を失った人々のうち約一万二千人が小学校などを利用
した避難所に身を寄せている。
空港脇の小学校では約四百人の被災者が、建物の崩壊を恐れ、校
庭に寝泊まりしている。近隣住民から衣料や食料をもらって暮らす
。被災した公務員カスパー・ジェームズさん（３４）は「幼い子供
たちが朝露にぬれて病気になるのが心配だ」とつぶやいた。
今も多数の住民が被害を受けた島に残る。被害の全容はまだ把握
できていない。大半の島で桟橋が破壊され、救援物資の荷揚げがで
きず、物資輸送は空輸頼りだ。地元の軍幹部は「水など支援物資の
輸送が最大の問題だ」と訴えた。
20050102 1743
[2005-01-02-17:43]
01/02 18:08 アンダマン諸島
アンダマン諸島 インド洋に浮かぶインド領の群島。インドネシ
アのスマトラ島とミャンマーの間に位置し、南方のニコバル諸島と
合わせ、南北約１０００キロにわたり、大小５００以上の島々から
なる。人口は約３５万人。各島とも全体に平たい。歴史的には英国
の流刑地として植民が始まり、人口が増えたとされる。アンダマン
諸島の中心地はポートブレア。両諸島にはインド軍の基地があり、
軍事的要衝としても知られる。（共同）
20050102 1808
[2005-01-02-18:08]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。