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http://www.asahi.com/international/update/1228/010.html
スマトラ沖大地震とインド洋津波の死者は発生から3日目の28日、約5万1000人に達した。各国政府関係者らに確認したロイター通信などの集計で、前日と比べて2.3倍に増えた。津波による災害では観測史上、最悪の規模だ。被災地では、水や食料の不足、伝染病などへの懸念が深刻化。国際機関や主要国などが支援物資の緊急輸送を始めたが、通信や交通網が寸断されたままで、救援活動は遅れている。
インドネシアでは孤立した地域などで捜索が本格化し、政府推計も含めて1万2000人増えた。スリランカでも7000人、インド5000人など、新たな死者数が報告された。スリランカでは、商都コロンボから南部のガールに向かっていた列車が津波に流されて転覆し、乗客1000人が死んだことが分かった。タイではプーケット島周辺の観光地を中心に犠牲者数が2倍近く増えた。
死者総数は1883年、インドネシアのクラカトア火山噴火による津波で3万6000人が死亡した災害を上回り、最悪の事態となった。各国政府は今後も増えるとの見通しだ。
インドの主な被災地では、がれきの中から遺体を運び出す作業が28日も続いた。屋外に仮設した安置所に遺体が運ばれ、集団埋葬用の穴に埋めているという。遺体は暑さで腐敗が進みやすく、衛生環境は悪化するばかりだ。マラリア、腸チフス、下痢症など感染症の発生が懸念されている。
震源に近いインドネシア・スマトラ島のバンダアチェでは、水道や電気、電話が全面的にストップ。食料不足も深刻だ。住民は余震や津波の再発を恐れて避難する人も多く、疲労ぶりが目立つ。地元自治体などは数百人規模で散乱する遺体を埋葬しようとしているが、作業ははかどらない。腐敗が進み、伝染病の懸念が強まっている。現地を視察した同国のユドヨノ大統領は28日、「島の西部で道路が寸断し、住民が孤立状態に置かれている。正確な被害状況も分からない」と述べた。
国連によると、世界の20カ国以上が輸送機数百機を被災国に急派し、衛生分野などを中心にした緊急支援物資を供給する計画という。