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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20041227k0000m030056000c.html
【ジャカルタ岩崎日出雄】インドネシアのスマトラ島沖で26日午前8時(日本時間同10時)ごろ、マグニチュード(M)8.9の巨大地震が発生し、大規模な津波がスリランカやインド、タイ、インドネシアなどインド洋沿岸の少なくとも8カ国を襲った。AP通信などによると、同夜現在、計9200人以上の死者が確認され、多数の行方不明者も出るなど甚大な被害が広がっている。タイでは子供ら日本人観光客約20人の安否確認ができていないという。津波被害では過去最大級になる見通しだ。
在バンコク日本大使館によると、日本人に人気のタイ南部のリゾート地、プーケットやピピ島などで日本人観光客約20人の所在が確認できず、「子どもが波にのまれた」「いっしょにいた家族の安否がわからない」などの問い合わせが十数件入っている。また、毎日新聞の調べによると、同国内で香港在住の日本人男性(35)が重傷を負ったほか、少なくとも9人が負傷した。
米地質調査所によると、震源はスマトラ島西方沖で、震源の深さは10キロ。地震の規模は1900年以降5番目で、64年の米アラスカ州での地震以降では最大。AP通信などによると、最初の地震後、数波にわたって高さ約6〜10メートルの津波がインド洋沿岸諸国に押し寄せた。その後も同島北方のインド洋アンダマン諸島などを震源とするM5〜7級の地震が続発した。
AP通信やロイター通信によると、スリランカでは東部海岸の漁村などを高さ約6メートルの津波が襲い、死者は4500人に達し、約100万人が避難した。犠牲者の多くは地元の子供や高齢者という。同国のラジャパクセ首相は陸海空軍に救援活動の実施を指示。緊急事態宣言を出し、国際社会に救援を求めた。
インドでは、チェンナイなど東南部を中心に2000人以上が死亡した。同国領アンダマン諸島で多数の犠牲者が出ており、同国海軍が救援活動にあたっている。
震源地となったインドネシアでは、震源に近いアチェ州などで約2400人の死亡が確認され、数百人が行方不明。同州に住む日本人2人はともに無事だったが、同州北岸のビルン県では高さ約10メートルの津波が発生し、海岸沿いの木造家屋などが倒壊、多数の人々が波にさらわれた。
また、タイではプーケットなど南部のリゾート地を中心に289人が死亡、5000人以上が負傷した。2800人が行方不明との情報もある。マレーシアでも北西部のリゾート地ペナンなどで42人が死亡。ミャンマーでは最南端の町コータウンで津波により橋が崩落、男女計10人が死亡した。
さらに、バングラデシュでは南東部で津波によりボートが転覆、子供2人の死亡が確認された。また、AFP通信は、インド洋の島国モルディブでも英国人旅行者1人など15人の死亡が確認され、首都マレの3分の2が浸水、国際空港が閉鎖されたと報じた。
◇昨秋の十勝沖とほぼ同じ規模か
地震は規模(マグニチュード=M)が大きくなるほど、発生数は少なくなる。通常、M8以上の地震を「巨大地震」と呼び、1900年以降、世界で約100回起きた。M9の地震はエネルギー量ではM8の地震の約32倍で、M9.0以上の地震はこの100年間に4回起きている。
米地質調査所の速報によると、今回の規模はM8.9で、1900年以降では5番目に大きい。ただし、マグニチュード算出には複数の計算式があり、どれを使うかで数値が異なる。
今回は「表面波マグニチュード」と呼ばれる指標だが、巨大地震の場合は精度が悪くなるため、震源でずれた断層の面積や地盤の硬さなどを基に計算した「モーメントマグニチュード(Mw)」が実態に近い指標として使われる。この地震のMwは「8.2」で、昨年9月の十勝沖地震(Mw8.3)とほぼ同規模と推定される。
大都市や防災対策の進んでいない地域で発生した場合、規模の割に人的被害が多くなる。1923年の関東大震災(M7.9)では約14万人が火災や建物倒壊で死亡した。昨年12月26日に起きたイラン・バム地震(M6.8)でも4万3200人が犠牲になった。
内陸部を震源とした「直下型」の地震は、規模は小さくても揺れによる被害が避けられない。95年の阪神大震災(M7.3)では6433人が死亡、今年10月の新潟県中越地震(M6.8)でも40人(新潟県の対策本部のまとめによる)が亡くなっている。【元村有希子】
毎日新聞 2004年12月26日 20時52分