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来年3月から半年間、愛知県で開催される愛知万博(愛・地球博)の会場を、新たな「推定活断層」が東西に横切っていることが国土地理院などの調査でわかった。万博協会によると、この断層は長久手会場(長久手町)の北西部、瀬戸会場(瀬戸市)の中心を貫き、直上には催事場や瀬戸日本館が建設されている。2年前、会場への足となるリニアモーターカーの基礎工事で断層の存在が確認され、リニアの耐震設計を変更した。しかし、情報は協会側に伝わらず、協会は今年10月下旬まで知らなかった。会期中に地震が起きる確率は低いが、万博協会は「必要なら直上の施設の閉鎖も視野に安全対応策を検討したい」としている。
この断層の存在は、国土地理院が10月22日に公表した全国の都市圏活断層図8面のひとつ、「瀬戸」で明らかになった。万博会場の北東部に存在が確認されていた活断層「猿投(さなげ)山北断層」の延長線上で、最大数十メートルの誤差があるとされるが、長久手会場の催事場「モリゾー・キッコロメッセ」の下、名古屋市内と会場を結ぶリニアモーターカー(リニモ)の万博会場駅北側、瀬戸会場の警備消防センター、海上(かいしょ)広場、瀬戸日本館の真下を通る。
02年4月、リニモの公園西駅―万博会場駅間の基礎工事で、高架橋を担当する愛知県が最初に断層の一部を発見。会場周辺の土木工事でも断層の手がかりが見つかった。これらの資料を基に、国土地理院などが過去50年間の航空写真の解析から断層の位置を確定した。
会場内を通る断層はデータが十分でないため「推定活断層」に分類されるが、すでに存在する活断層「猿投山北断層」の延長上にあり、一体となって地震を引き起こす可能性がある。
愛知県は断層発見後にリニモの設計を変更。阪神大震災後に強化された最新の耐震基準に加え、断層直近の橋脚2本に約2メートル横ずれしても橋げたが落ちないような装置を取り付けた。
国内では、耐震設計審査指針がある原子力発電所とダムの開発以外は活断層を避ける規制はないため、県から協会側に情報が伝わっていなかった。協会は猿投山北断層の存在は知っていたものの、断層が会場内に延びていたことは10月の国土地理院の発表で初めて知ったという。
政府の地震調査委員会が10月に発表した評価によると、この断層が含まれる「恵那山―猿投山北断層帯」は最大マグニチュード7.7程度の地震を起こす可能性があり、発生確率は今後30年以内に最大2%。単純に推計すると、半年の万博会期中では0.03%。国内の主要活断層のうち活動度は「やや高い」グループに入る。
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〈キーワード・推定活断層〉 最近数十万年の間に千年から数万年ごとに繰り返し動き、今後も地震を起こすと考えられる断層が活断層。活断層とみられるもののうち、存在が確認されてもデータが不足しているため、今後どんな地震を起こすか判断できないものや、位置が明確に特定できていないものを推定活断層と呼ぶ。
(12/19 10:04)
http://www.asahi.com/national/update/1219/005.html