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http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/shakai/20041114/20041114i102-yol.html
新潟県中越地震で、車で避難生活をしていた被災者の3割から、突然死を招く肺塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)の原因となる血栓が見つかったことが分かり、専門医で作る肺塞栓症研究会(代表世話人=中野赳・三重大教授)は13日、「今後も発病の恐れがある被災者は多い」として、予防策などについて緊急提言をまとめた。
この日の研究会で、新潟県小千谷市の避難所に出張診療した新潟大の榛沢(はんざわ)和彦医師(呼吸循環外科)が、車内で避難生活していた被災者への調査結果を報告した。
それによると、69人に、ふくらはぎの超音波検査を行ったところ、30%の21人の静脈に血栓が見つかった。このうち1人が肺塞栓症と診断され、2人はその前段階の「深部静脈血栓症」だった。これら3人は、いずれも1週間以上、マイカーなどで「車中泊」を続けていた。また、血栓の見つかった全員が3日以上、車中泊を続けていた。
新潟県の調査によると、震災後、車で避難生活するなどしていた11人が肺塞栓症を起こし、うち4人が死亡した。榛沢医師は、このほかにも被災地から新潟市の病院に搬送された女性(67)が肺塞栓症で治療を受けるなど、数人が発症していたことを報告し、「実際にはもっと多い可能性がある」と指摘した。
発症が続出した背景について、榛沢医師は「寒さと余震で何人もの家族が1台の車で窮屈な生活をしたことや、震災直後は水が行き渡らず、トイレも未整備で脱水症状が起きた」と分析し、「3日以上の車中泊は危険」と強調した。
こうした事態を重視した研究会は、「潜在的な患者や今後も発症が心配される被災者はまだ多い」として、「災害緊急避難時における肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)に関する提言」をまとめた。
▽避難する場合、身体を自由に動かせない状態で寝泊まりしない▽予防には、水分を十分とって脱水を避け、足の運動をする。特に高齢者や妊婦などに発症しやすいので、足の血流を良くする弾性ストッキングを着用する▽息切れ、胸の痛み、足のむくみや痛みがあれば早く受診する――と呼びかけている。
さらに医療機関には「症状がなくても発症している場合があるので、注意して診療する」ことを求め、行政にも「高齢など発症の危険因子のある人を優先して旅館やテントなどに移し、今後の災害のためにも調査を進める」よう促した。
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新潟県は、エコノミークラス症候群の対策として、県内にある旅館の協力を得て、宿泊をあっせんしている。「車中泊」を強いられている高齢者らが対象で、宿泊料は無料。
◆肺塞栓症=足の静脈などにできた血栓(血液の塊)が肺の動脈に詰まり、呼吸困難を起こす病気。死亡率は14%と高い。飛行機の狭い座席で起こりやすいことから「エコノミークラス症候群」「ロングフライト血栓症」とも呼ばれる。