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新潟県中越地震は本震が川口町で震度7、一帯では直後に震度6強の強い余震が2度も続いたにもかかわらず、住宅被害は揺れの強さの割には少なかったようだ。豪雪対策の住宅構造が強い揺れにも耐えた、と専門家はみる。県は住宅の豪雪対策補助事業を93年から進めており、それが役立った形だ。
県によると、中越地震で全半壊した住宅は1014棟(1日午後5時現在)。震度6強の直下型だった鳥取県西部地震(00年)、宮城県北部地震(03年)では、全半壊がそれぞれ約3500棟、約5千棟に上った。
小千谷市などで被害を調べた高濱信行・新潟大積雪地域災害研究センター長は「雪の重みに耐えるよう柱を太くしたり、屋根をトタンぶきで軽くしたりした住宅は、強い揺れに耐えられたのではないか」と推測する。
また一帯には、頑丈なコンクリート造りの倉庫や車庫の上に居住部分を載せた「高床式」の家が多い。玄関を高くして、大雪でも出入りを楽にする工夫だ。
住宅金融公庫の02年度の調べでは、新潟県の住宅のコンクリート基礎の高さは平均約70センチで全国1位(沖縄県は未調査)。東京都は約42センチ、兵庫県は約44センチだ。建築研究所(茨城県つくば市)の岡田恒・構造研究グループ長は「軟弱な地盤の場合には、高くて強固な基礎の方が地盤の変化により柔軟に対応することができて、耐震性を高めたのでは」。
震度7の川口町では106棟が全壊、170棟が半壊した。だが、やはり住宅構造でも明暗が分かれた。
町南西の河岸段丘にある田麦山地区は全半壊が目立つ。「数百年前は沼地」とされ、いまも1メートルも掘ると水がにじむという。
ある男性(82)の家は築30年の木造2階建て。大きな余震で、1階がつぶれた。「もう家には住めない」と31日、長岡の親類宅へ向かった。
一方、別の地区にある女性(45)の家は、築6年の木造2階建て。高さ2メートルの鉄筋コンクリート基礎に建つ高床式で屋根もトタンだ。壁にひび、窓は割れたが、「室内を整理すれば住める」。
地元工務店によると、町内の高床式は15年ほど前から急に増えた。
新潟県は雪に強い「克雪住宅」を増やす補助事業を93年に開始。家の克雪化に、県や国などが最高計66万円を補助するなどの支援を進める。県によると昨年度までに約1万2千人が利用した。 (11/01 23:00)
http://www.asahi.com/national/update/1101/028.html