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【2004年7月20日 Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics Press Release 】
われわれから540光年離れたカメレオン座の一角に、ユニークな褐色矮星の連星が発見された。連星の間隔が今までに発見されているペアと比較して12倍近くも離れていることから、褐色矮星の形成が恒星の形成と同様のプロセスを経たらしいことが示唆されており、褐色矮星を恒星の一種とみなせるのではないかという意見も出てきた。
褐色矮星の連星系(提供:K. Luhman (Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)) |
この弱い力で結びついている連星の存在が示すものは、褐色矮星が太陽のような恒星と同様のプロセスを経て誕生したという可能性だ。近年の褐色矮星形成に関するシナリオでは、星間雲の中にある星の種同士が重力で引き付けられ、一方が他方をはじき出すという「スリングショット効果(天体が他の天体を加速させる引力効果)」が挙げられている。はじき出された種は星(恒星)になることはなく、これが褐色矮星のもとの姿ではないかという考えだ。しかし、今回発見された連星系のように重力による結びつきが弱いものが存在するということは、スリングショット効果のような強い重力の影響を受けていないということになる。
この内容を支持する専門家は、今回の発見によって褐色矮星の誕生が恒星の誕生と同じプロセスである可能性が一段と高まったと話している。さらに、褐色矮星がたとえ核融合を起こさなくても、その形成過程から恒星の一種と言えるのではないかとも語っている。