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【2004年7月15日 ESO Press Release 】
クリックで拡大 赤方偏移パラメータz=1.9の楕円銀河。(提供:ESO) |
宇宙の歴史の中でいつどのようにして銀河が形成され進化してきたのかというのは、銀河に関する最大の疑問だ。一般的な理論によれば、質量の小さな銀河同士が衝突と合体を繰り返し、段階的により大きな銀河が形成される。この理論では、過去の宇宙には小さな銀河しか存在しかなったことになる。
VLT(The Very Large Telescope)を使った今回の研究では、K20フィールドと呼ばれる満月の10分の1の大きさの領域にある546個の天体が観測された。その結果、4つの年老いた大質量銀河が発見された。これらは赤方偏移パラメータzが1.6から1.9の銀河で、宇宙年齢が現在の25%(35億歳、今から100億年前)のころのものだという。また、これらの銀河の質量は太陽の1兆倍程度と見積もられており、現在存在する大質量の銀河に匹敵する。さらに、深宇宙オリジン・サーベイ(Great Observations Origins Deep Survey: GOODS)による補足観測では、これらの銀河の構造や形が現在の宇宙に存在する楕円銀河とほぼ同じであることもわかっている。
今回の観測では新たな世代に属する銀河が発見され、現存する銀河の形成ももっと以前に始まっていたことが示された。銀河の進化は、予測されていた以上に急速に進んでいたようだ。