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【2004年6月7日 University of Wisconsin - Madison, News】
ハッブル宇宙望遠鏡とWIYN望遠鏡を使い、スターバースト銀河M82に見られるスーパーウィンド(銀河の中心から勢いよく吹き出すガス)を引き起こしている原因を探る観測が行われた。その結果、複数のガスの流れが異なる割合で広がることで、高温のガスが「コズミック・シャワー」としてM82銀河の爆発的な星形成領域から吹き出していることがわかった。
M82(提供:WIYN/NSF, NASA/ESA、謝辞:Mark Westmoquette, University College London; Jay Gallagher, UW-Madison; Linda Smith, University College London) |
スーパーウィンドと呼ばれる銀河から吹き出す強力な風は、どうやら近傍の銀河M81とのニアミスによって引き起こされたようだ。M82では密集した星団の中に星形成が見られるが、これらの星の形成が長く伸びて広がる高温ガスの柱状構造にエネルギーを与えている。このエネルギーにより、ジェットは時速150万キロメートルという想像を絶する速さで銀河間空間へと吹き出しているというわけである。
今回の研究で注目すべき点は、ハッブル宇宙望遠鏡とウィスコンシン・インディアナ・イェール・NOAO(WIYN)望遠鏡とを併せ用いてM82のスーパーウィンドを観測したという点だ。この二つの望遠鏡を合わせたまったく新しい観測方法によって、M82のスターバースト領域深くから銀河間空間へと伸びるスーパーウィンドの全貌を明らかにすることができたのである。
銀河から銀河間空間へ広がる化学物質を豊富に含んだ流れについては、まだわかっていない部分が多い。謎を解明するためには、流れの源から高温ガスの柱状構造が消える領域までという広範囲にわたる詳細な分布地図を作成する必要がある。まさに、科学者にとっての新たな挑戦ともいえる観測作業となるだろう。