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【2004年6月4日 Arizona State University】
新しく発表された太陽形成のシナリオによると、太陽は超新星爆発を伴った激しい環境で生みだされた可能性があるということだ。重要な鍵を握るのは、隕石中から発見された鉄60という物質である。この物質は大質量星の中にしか存在しない。したがって、鉄60の存在によって、大質量星を近くにもつ環境で太陽が形成されていたことが証明されるという。
わし星雲M16 (提供:NASA/HST/Jeff Hester and Paul Scowen) |
HII領域にある大質量星がその一生の終わりに超新星爆発を起こし、周辺の原始惑星系に自らの内部で合成してきた物質をばら撒く。その中には、鉄60などの同位体元素が含まれているが、こうした元素が周辺にある太陽のような星や若い星たちに取り込まれることになるわけだ。
長年にわたり天文学と惑星科学の謎とされてきた隕石中に発見されたさまざまな物質は、近くに存在した超新星の存在によって簡単に説明がつくということになる。 また、同位体元素が若い太陽系に注ぎ込まれたことは、現在、生命を育んでいる地球の環境にも大きく影響を及ぼしているようだ。
この新しい太陽形成のシナリオを出発点に、今後は、天文物理学、隕石学、惑星科学と宇宙生物学の関連性がますます深くなり、新たな説や理論が数多く生み出されることになるだろう。