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存続が危ぶまれる米航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡の後継機打ち上げに向けて、日本の研究者が協力する動きが出てきた。海部宣男・国立天文台長ら天文学者や宇宙開発関係者が近く会合を開き、日本製の超広視野カメラを積む構想などを検討する。
ハッブルは早ければ07年にも姿勢制御装置やバッテリーが使用不能に陥る。オキーフNASA長官は1月、修理を担当するスペースシャトル乗組員の安全が確保できないとの理由で、修理飛行の中止を発表した。
NASAは次世代型ハッブルの打ち上げ計画を検討しているが、完成までに10年程度かかる見通しで、観測に空白が生じる。そこで、米ジョンズホプキンス大のコリン・ノーマン教授や海部台長ら日米欧の研究者20人が4月末、現在と同型のハッブル2号機を製造して09年までに打ち上げる案をNASAに提起した。
提案では、費用を最高約6億7000万ドル(約730億円)と見積もっており、緊縮財政下のNASAがどう判断するかは不透明だ。ノーマン教授によると、欧州宇宙機関(ESA)は1億ドル程度の協力に前向きで、実現性はあるという。
日本では、海部台長らが超広視野カメラ搭載での協力の検討を始めた。国立天文台の常田佐久教授によると、同種の装置は米ハワイ州にある日本の「すばる望遠鏡」にもあるが、宇宙望遠鏡に搭載された例はない。実現すると、銀河の形状や進化の様子をさらに詳しく観測できる。
常田教授は「日本ならではの貢献ができる。技術力を試すいい機会でもある」と話している。協力した場合、日本の研究者がハッブルを一定期間使う権利を持つことになり意義も大きいという。
会合には国立天文台の研究者ら計十数人が出席する。研究者レベルの合意が得られれば、研究費の手当てなど、政府へも理解を求めていく方針だ。【元村有希子】
◆ことば◆ハッブル宇宙望遠鏡
NASAが開発し、90年に打ち上げた。高度600キロの宇宙空間から太陽系内外の天体を観測している。主鏡は直径2.4メートル。大気の揺らぎの影響を受けないことから、100億光年以上先の深宇宙まで観測できるほか、鮮明な天体写真を地球に送り続けている。
[5月16日3時3分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040516-00000136-mai-soci