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春の季語にもなっている、今が美味のメバル。その魚が、かすかな地磁気を頼りに、岩礁などをすみかにしている可能性が出てきた。京都大大学院情報学研究科・生物圏情報学講座の荒井修亮(のぶあき)助教授、三田村啓理(ひろみち)研究員らのグループが、約4年がかりの実験で示した。4月に鹿児島大で開く日本水産学会で発表する。サケ・マス類が生まれた川に帰る能力も地磁気との関係が指摘されているが明確な裏付けはない。魚の不思議な力の解明につながるかもしれない成果だ。
研究グループは禁漁区で護岸に魚が集まる関西国際空港周辺の大阪湾で、00年からメバルの腹に超音波発信器(直径9ミリ、長さ20ミリ)を埋め込み、受信機で信号を追う「バイオテレメトリー」(生物遠隔測定)で追跡調査をした。
メバルは回遊せず、すみかに居着く性質があり、数キロ離れた場所からでも戻る回帰能力があることから、磁石をメバルに付けて磁気の感覚をかく乱し、行動にどう影響が出るかを探った。
02年10月、関空北側の港で釣ったメバルの腹に地磁気(約0.05ミリテラス)の6000倍の強い小型磁石(直径2ミリ)を埋め込み、釣った場所で放し、岩礁に出入りする際の信号をチェック。磁石のない5匹は80日で平均約4300回の信号を確認。磁石のある2匹は約500回で行動が鈍っていた。
昨年10月には同様に小型磁石を付け、釣った場所から約2キロ離れた地点で放した。磁石のない8匹中5匹が2日以内に採取場所に戻ったが、磁石のある8匹は2匹しか戻れなかった。
荒井助教授は「場所ごとに違う地磁気の高低を感じている可能性がある。きゅう覚や視覚など複数の感覚も併せ、すみかに戻るのではないだろうか」と話している。【野上哲】
サケの生態に詳しい上田宏・北海道大北方生物圏フィールド科学センター教授(魚類生理学)の話 ニジマスの鼻の組織に磁石が存在し、磁気を感じるとの報告がある。サケも海流、太陽の位置、地磁気などの感覚を頼りにアラスカから日本に帰るらしい。しかし、磁気の影響は証明が難しく、今回の研究は意義がある。今後は磁気を知るメカニズムの解明が必要だ。将来は網でなく磁気で魚を囲い、養殖するという夢も広がる。
[3月22日13時9分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040322-00001048-mai-soci