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■ 樹齢133年、室蘭港の歴史と同じ樹木が"復活"
室蘭市常盤町の常盤公園内に、市の開港133年と同じ樹齢のオンコの木がある。昭和40年代に市内海岸町の会社社長が市に寄贈した樹木なのだが、地域ではあまり知られていない。昨年の台風の影響で幹がはがれる被害を受けた。メモリアルな樹木なだけに、市はこのほど”復活”の治療を施し、保存体制を強化した。
オンコの木は、海岸町の近江家具店の故近江智夫社長が贈り主。同48年ごろ、伊達市内の民家の増改築のため切り落とされる樹木を、材木として2本譲り受けた。その際に1872年に植えられたものと知り、記念として市に寄贈した。2本は同公園と文化センター前に植樹された。
文化センター前の木は次第に枯れたため5、6年後に伐採された。常盤公園の樹木は現在でも生きている。プレートなどの証拠がなく、港と同じ年齢とは地域住民に知られていない。よく同公園へ散歩に出掛ける町内の男性(68)は「知らなかった。今度見に行きたい」と驚いた様子。近くに住む男性(27)は「身近に貴重な樹木があるとは思っていなかった。見守りたい」と話す。
植樹から30年余の歳月が経過。カビなどの腐敗も内部で進行してきた。昨年9月の台風で、下部の幹約2・5メートルがはがれ落ちた。市公園係は「早くとも遅くとも、このままでは駄目になる。最終的には切り落とさなければならない」と話す。
記念樹とあって、市は専門業者に復元治療を依頼、24日に治療が施された。泥炭を粉砕した自然素材「ピートモス」や木炭を混ぜ合わせて”傷口”に補強し、ビニールシートや緑化テープで固定する。成功した場合は幹と一体化した姿が戻る。担当した樹木医は「回復する可能性はある。完治するのに3年ほどかかるのでは」と話している。
故近江さんの夫人、アキさん(80)は「場所が分からなく、まだ存在するとは思っていなかった。夫の思い出の樹木であり、大切な宝物。これからもずっとマチを見守っていてくれれば」と目を細めている。
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/topi/topi.htm#04